方針
(1) は大小2個のサイコロを区別し、差の絶対値が になる場合の数 を数えて期待値を求める。(2) は「最初に異なる目が出た場合」と「最初に同じ目が出て小さいサイコロを振り直す場合」に分ける。前者の寄与は(1)の和から同目の0寄与を除いたものと同じで、後者は同目が出る確率 に、固定された大きいサイコロの目と振り直した小さいサイコロの差の期待値を掛ける。
解答
(1)
大小2個のサイコロを区別して考える。全体の場合の数は 通りである。
差の絶対値が であるとする。ただし である。このとき、小さい方の目を基準にして の 通りがあり、大小のサイコロのどちらが大きい目を出すかで2倍される。したがって場合の数は 通りである。 の場合は期待値への寄与が0なので、求める期待値はよって である。
(2)
最初に2個のサイコロを同時に投げたとき、目が異なればそこで終了する。この場合の期待値への寄与は、(1) で数えた差が正である場合の寄与そのものであり、 である。
次に、最初に同じ目が出た場合を考える。この確率は である。このとき大きいサイコロの目はそのまま残り、小さいサイコロだけをもう一度投げる。最初に同じ目が出たという条件のもとで、残っている大きいサイコロの目は のいずれも同じ確率である。また、振り直した小さいサイコロの目も のいずれも同じ確率で独立に出る。
したがって、振り直し後の差の絶対値の期待値は、独立な2個のサイコロの差の絶対値の期待値と同じで、(1) より である。
以上より、求める期待値はである。
別解
解法2(全事象の直接和)
方針
大小のサイコロの最初の目を 、小さいサイコロを振り直したときの目を とする。(1) は36組の差を三角形状に足す。(2) は216個の等確率な三つ組 上で、 と の寄与を直接加える。
解答
(1) 大きいサイコロの目を 、小さいサイコロの目を とする。 の部分では の部分も同じで、 の寄与は0である。したがって(2) 振り直した小さいサイコロの目を とする。三つ組 は216通りが等確率である。 のときの差は で、各組 に対して が6通りあるから、その寄与の総和は のときは最終的な差が となり、その総和はよって求める期待値はである。
総評
難度4、計算量4。目安時間は10分。差の絶対値ごとの場合の数を数える標準的な期待値問題である。(2) では「同じ目が出たら振り直す」ため、最初の同目の0寄与が新しい期待値に置き換わると見ると整理しやすい。振り直し後の期待値が(1)と同じになる理由は、残った大きいサイコロの目が一様で、振り直した小さいサイコロの目と独立だからである。 最初の同目の寄与を二重に数えないよう、全事象への寄与として整理すると安全である。 第2解法では216個の等確率な三つ組上で全寄与を直接加え、条件付き期待値と独立な検算を与えた。