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名古屋大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面上の円C:x2+(y1)2=1と,x軸上の2点P(a,0)Q(b,0)を考える。
ただし,a>0b>0ab1とする。
PQのそれぞれからCx軸とは異なる接線を引き,その2つの接線の交点をRとする。
このとき,次の問に答えよ。

(1) 直線QRの方程式を求めよ。

(2) Rの座標をabで表せ。

(3) Ry座標が正であるとき,PQRの周の長さをTとする。
Tabで表せ。

(4) 2点PQが,条件「PQ=4であり,Ry座標は正である」を満たしながら動くとき,
Tを最小とするaの値とそのときのTの値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

図形と方程式関数 接線・法線座標設定文字消去微分による最大最小

方針

円は中心 (0,1)、半径 1 である。点 Q からの接線は、傾き m の直線として置き、中心から直線までの距離が 1 である条件で求める。b=1 のときだけ接線は垂直線になるので、式の導出ではこの場合も確認する。同様に点 P からの接線を求め、2直線の交点 R を出す。周長は座標差から PR,QR を計算し、Ry 座標が正である条件 ab>1 のもとで整理する。最後は a+b=4ab を最大化すればよい。

解答

(1)

C の中心は (0,1)、半径は 1 である。点 Q(b,0) を通る、x 軸とは異なる接線をまず b1 の場合に求める。直線を y=m(xb) とおくと、標準形は mxymb=0 である。この直線が円 C に接するための条件は、中心 (0,1) から直線までの距離が 1 であること、すなわち m01mbm2+1=1 である。よって (1+mb)2=m2+1 となる。展開して整理すると 2mb+m2b2=m2,m{2b+m(b21)}=0 である。m=0x 軸であり除くので m=2bb21 である。したがって y=2bb21(xb)(b1) である。

なお b=1 のときは、上の傾き表示ではなく垂直線 x=1Q を通る x 軸以外の接線である。実際、中心 (0,1) から直線 x=1 までの距離は 1 である。

(2)

同様に、a1 のとき点 P(a,0) を通る x 軸以外の接線は y=2aa21(x+a) である。a=1 のときは垂直線 x=1 である。

まず a1,b1 として交点を求める。R=(X,Y) とすると Y=2aa21(X+a),Y=2bb21(Xb) である。これらを等置して a(X+a)a21=b(Xb)b21 を得る。両辺に (a21)(b21) を掛けると a(b21)(X+a)+b(a21)(Xb)=0 である。X の係数は a(b21)+b(a21)=(a+b)(ab1) であり、定数項は a2(b21)b2(a21)=b2a2=(ab)(a+b) である。したがって (a+b)(ab1)X(ab)(a+b)=0 であり、a+b>0ab1 より X=abab1 である。これを例えば Y=2aa21(X+a) に代入すると X+a=ab+a(ab1)ab1=b(a21)ab1 だから Y=2aa21b(a21)ab1=2abab1 である。

a=1 または b=1 の垂直接線の場合も、この式はそのまま成り立つ。よって R(abab1,2abab1) である。

(3)

Ry 座標は 2abab1 である。a>0,b>0 より、これが正であることは ab>1 と同値である。以下 ab>1 とする。

まず PQ=a+b である。またRP=(abab1+a,2abab1)=(b(a21)ab1,2abab1)なのでPR=bab1(a21)2+(2a)2=bab1a4+2a2+1=b(a2+1)ab1である。同様にRQ=(abab1b,2abab1)=(a(b21)ab1,2abab1)より QR=a(b2+1)ab1 である。

したがって周の長さ TT=PQ+PR+QR=a+b+b(a2+1)+a(b2+1)ab1=a+b+(a+b)(ab+1)ab1=2ab(a+b)ab1である。よって T=2ab(a+b)ab1 である。

(4)

PQ=4 より a+b=4 である。(3)から T=8abab1 である。ここで u=ab とおくと、条件 Ry 座標が正であることから u>1 であり T=8uu1=8+8u1 である。したがって u>1 の範囲では、u が大きいほど T は小さい。

一方、a>0,b>0,a+b=4 のもとでは ab(a+b2)2=4 であり、等号は a=b=2 のときに成り立つ。このとき ab=4>1 なので条件も満たす。よって Ta=b=2 のとき最小となり、その値は T=8441=323 である。したがって a=2,T=323 である。

別解

解法2(接点座標と接線長)

方針

接点を (u,v) と置き、半径と接線の直交条件から接線の方程式を直接求める。2本の接線を連立して R を出した後は、各頂点から円へ引いた接線の長さが等しいことと点 R の方べきを使って周長を求める。主解法の距離公式による辺長計算を避け、接線図形の構造を利用する。

解答

円の中心を O=(0,1) とする。

(1)

Q から引いた x 軸以外の接線の接点を E=(u,v) とする。E は円上にあるからu2+(v1)2=1(1)である。半径 OE と接線 QE は垂直なので、E における接線はux+(v1)(y1)=1(2)と書ける。これが Q=(b,0) を通ることから v=bu である。(1)へ代入するとu2+(bu1)2=1すなわちu{(1+b2)u2b}=0である。u=0x 軸に対応するので除きu=2b1+b2,v=2b21+b2を得る。これを (2) へ代入して整理するとQR:2bx+(b21)y2b2=0である。この式は b=1 のときも垂直接線 x=1 を表す。

(2)

同様に P から引いた接線はPR:2ax+(a21)y2a2=0である。2式を連立するとR(abab1,2abab1)を得る。

(3)

Ry 座標が正である条件は ab>1 である。P,Q から x 軸上の接点 (0,0) までの接線長は、それぞれ a,b である。したがって、P,Q からもう一方の接点までの接線長も a,b である。

また R から円へ引いた2本の接線の共通の長さを s とする。点 R の方べきからs2=(abab1)2+(2abab11)21=(a+b)2(ab1)2である。ab>1 よりs=a+bab1となる。接点は各辺上にあるのでPR=a+s,QR=b+s,PQ=a+bである。よって周長はT=2(a+b)+2s=2(a+b)+2(a+b)ab1=2ab(a+b)ab1となる。

(4)

PQ=4 より a+b=4 である。u=ab とおけば 1<u4 でありT=8uu1=8+8u1である。これは u が大きいほど小さい。一方ab(a+b2)2=4で、等号は a=b=2 のときに成り立つ。したがってa=2,Tmin=323である。

総評

難度6、計算量6。目安時間は22分。接線条件、交点計算、周長の整理を順に処理する座標幾何の総合問題である。第1解法は中心から直線までの距離と座標距離、第2解法は接点座標・接線長・方べきを使い、異なる構造から同じ周長を得た。採点上は b=1,a=1 の垂直接線も統一式に含まれること、Ry 座標が正である条件を ab>1 とすることが重要である。最後は a+b=4 の下で ab を最大化すればよい。配置図で接線長の分割も確認できる。

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出典: 名古屋大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。