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名古屋大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

曲線y=x2上に2点A(1,1)B(b,b2)をとる。
ただしb>1とする。
このとき,次の条件を満たすbの範囲を求めよ。

条件:y=x2上の点T(t,t2) (1<t<b)で,ATBが直角になるものが存在する。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

図形と方程式微分 座標設定内積の利用判別式、範囲評価

方針

T(t,t2)で直角になる条件を,
TATB=0に直す。内積を因数分解すると,端点に対応する因子t+1tbが現れるので,開区間1<t<bでは残りの2次式だけを調べればよい。実数解の有無でまずb1を得て,そのとき実際に区間内の解が存在することを,q(0)q(b)の符号で確認する。端点t=1,bは許されないため,端点由来の因子を解として数えないことが要点である。

解答

T(t,t2)においてATBが直角であることは TATB=0 と同値である。ここでTA=(1t,1t2),TB=(bt,b2t2)であるから,TATB=(1t)(bt)+(1t2)(b2t2)=(tb)(t+1){t2+(b1)t+1b}と因数分解できる。

条件では1<t<bであるから,t+1>0tb<0であり,この2つの因子は0にならない。したがって求める条件は,2次方程式 q(t)=t2+(b1)t+1b=0 が開区間(1,b)に解をもつことに等しい。

まず実数解をもつための条件を調べる。判別式は D=(b1)24(1b)=(b1)(b+3) である。仮定b>1のもとではb+3>0なので,実数解をもつには b1 が必要である。

逆にb1なら,実際に区間内の解が存在する。b=1のとき q(t)=t2 であり,t=01<0<1を満たす。b>1のときは q(0)=1b<0,q(b)=2b22b+1=2(b12)2+12>0 である。0<bだから,連続性より0<t<bq(t)=0を満たす解が少なくとも1つ存在する。これは条件1<t<bを満たす。

以上より,求めるbの範囲は b1 である。

別解

解法2

方針

円周角の定理から,直角となる点Tは線分ABを直径とする円と放物線の共有点である。端点A,B以外の共有点を与える2次式について,判別式とt=0,bでの符号だけを調べる。b>1では根の一つが必ず0<t<bに入り,b=1では重解t=0が入ることを確認する。

解答

ATB=90であることは,円周角の定理より,Tが線分ABを直径とする円上にあることと同値である。T=(t,t2)をこの円の条件へ代入すると(t+1)(tb){t2+(b1)t+1b}=0.ここでt=1,bは端点A,Bに対応し,問題の開区間には含まれない。よってq(t)=t2+(b1)t+1b=0(1,b)に根をもつ条件を求めればよい。

1<b<1では,判別式はD=(b1)24(1b)=(b1)(b+3)<0であり,追加の共有点は存在しない。b=1ではq(t)=t2となり,重解t=01<0<1を満たす。

b>1ではq(0)=1b<0,q(b)=2b22b+1>0.しかも0<bだから,中間値の定理により0<t<bに根が存在する。この根は確かに(1,b)内にある。

したがって,求める範囲はb1である。

総評

難度5,計算量4。目安時間は12分。直角条件を内積にするところまでは標準的だが,因数分解で出てくるt=1t=bは端点の点A,Bそのものであり,条件の開区間には含まれない。採点上は,判別式だけで終わらせず,b1のとき本当に(1,b)内に根があることを示す部分が重要である。b=1は重解t=0が許されるので,ここを落とさない。別解として円周角の定理を用いてもよいが,最後は交点の位置確認が必要になる。

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出典: 名古屋大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。