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名古屋大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

正の整数nに対して,その(1と自分自身も含めた)すべての正の約数の和をs(n)と書くことにする。
このとき,次の問に答えよ。

(1) kを正の整数,pを3以上の素数とするとき,s(2kp)を求めよ。

(2) s(2016)を求めよ。

(3) 2016の正の約数nで,s(n)=2016となるものをすべて求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

整数 約数・倍数、素因数分解、場合分け

方針

約数和は素因数ごとに分けて積で表す。(1)で2kの部分と素数pの部分を分離し,(2)では2016=25327を用いる。(3)はn=2a3b7cとおき,s(n)の各因子が2016=25327を割るかどうかで絞る。特にb=2では因子13が出て不可能であり,2の指数が5になるにはb=1,c=1が必要である。

解答

(1) 2kpの正の約数は,2iまたは2ip (0ik)の形である。したがって約数の和はs(2kp)=(1+2++2k)+(p+2p++2kp)=(1+2++2k)(1+p)=(2k+11)(p+1)である。

(2)
まず 2016=25327 である。約数和は素因数ごとに積で表せるので,s(2016)=(1+2+22++25)(1+3+32)(1+7)=(261)138=63138=6552である。

(3) nは2016の正の約数であるから,n=2a3b7c とおける。ただし 0a5,0b2,0c1 である。このとき s(n)=(2a+11)(1+3++3b)(1+7++7c) である。

もしb=2なら,1+3+9=13s(n)の因子になる。しかし 2016=25327 は13で割り切れないので,b=2は不可能である。したがってb=0またはb=1である。

次に2の指数を見る。因子2a+11は奇数である。また,b=0なら3に関する因子は1,b=1なら 1+3=4=22 である。さらにc=0なら7に関する因子は1,c=1なら 1+7=8=23 である。右辺2016に含まれる2の指数は5だから,これを作るには b=1,c=1 でなければならない。

このとき s(n)=(2a+11)48=32(2a+11) である。s(n)=2016より 2a+11=201632=63 となる。よって 2a+1=64=26 であり,a=5である。

したがって求める約数は n=2537=672 のみである。実際,s(672)=(1+2++25)(1+3)(1+7)=6348=2016 となり,条件を満たす。

別解

解法2

方針

2016の約数は2a3b7cに限られ,各指数の候補も有限である。約数和の3因子を表にして,積が2016=25327となる行だけを選ぶ。抽象的な場合分けを,漏れのない有限表に置き換える。

解答

(1)
2kpの約数は2i2ip(0ik)であるからs(2kp)=(1+2++2k)(1+p)=(2k+11)(p+1).(2)
2016=25327よりs(2016)=(261)(1+3+9)(1+7)=63138=6552.(3)
n=2a3b7c(0a5,0b2,0c1)とおく。各素因数部分の約数和はa012345s(2a)137153163およびb012s(3b)1413c01s(7c)18.ここでs(n)=2016=25327には因子13がないのでbe2である。またs(2a)は奇数であり,積に含まれる2の指数5を作るにはs(3b)s(7c)=48=25でなければならない。よってb=1,c=1である。残る条件はs(2a)=201632=63だから,表よりa=5である。したがってn=2537=672.実際,s(672)=6348=2016である。

総評

難度5,計算量5。目安時間は15分。約数和を素因数ごとの積に分ける標準問題だが,(3)は全約数を列挙すると手間が増える。b=2で13が出ること,2a+11が奇数であること,(1+3)(1+7)=25で2の指数がちょうど合うことを順に見ると候補は一気にa=5,b=1,c=1へ絞れる。最後に実際にs(672)=2016を確認すると,除外だけで終わらない答案になる。

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出典: 名古屋大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。