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名古屋大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

nを正の整数とし,k1kn+2を満たす整数とする。
n+2枚のカードがあり,そのうちの1枚には数字0が,
他の1枚には数字2が,残りのn枚には数字1が書かれている。
このn+2枚のカードのうちから無作為にk枚のカードを取り出すとする。
このとき,次の問に答えよ。

(1) 取り出したk枚のカードに書かれているすべての数字の積が1以上になる確率を求めよ。

(2) 取り出したk枚のカードに書かれているすべての数字の積が2となる確率Qn(k)を求めよ。

(3) 与えられたnに対して,確率Qn(k)が最大となるkの値と,その最大値を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

確率場合の数 数え上げ、場合分け、微分による最大最小

方針

積が1以上になる条件は「0のカードを取らない」こと,積が2になる条件は「2を取り,0を取らず,残りは1を取る」ことである。組合せで確率を出したあと,Qn(k)k(n+2k)に比例する形へ整理する。最後は1kn+2の整数範囲で,和がn+2になる2数の積k(n+2k)を最大化し,n+2の偶奇,すなわちnの偶奇で場合分けする。

解答

(1)
取り出したカードの積が1以上になるには,数字0のカードを取り出してはいけない。0を含まなければ,取り出したカードは1または2だけなので積は必ず1以上である。

全事象はn+2枚からk枚を選ぶ場合で,その総数はn+2Ckである。0のカードを除いたn+1枚からk枚を選ぶ場合はn+1Ck通りだから,求める確率はn+1Ckn+2Ck=n+2kn+2である。なお,k=n+2のときは全カードを取るので確率0となり,この式にも含まれている。

(2)
積が2となるためには,数字2のカードを取り出し,数字0のカードを取り出さず,残りk1枚を数字1のカードから取り出せばよい。したがって有利な取り出し方は nCk1 通りである。よって Qn(k)=nCk1n+2Ck である。これを整理するとQn(k)=n!(k1)!(nk+1)!(n+2)!k!(n+2k)!=n!k!(n+2k)!(k1)!(nk+1)!(n+2)!=k(n+2k)(n+1)(n+2)となる。

(3)
分母(n+1)(n+2)kによらないので,k(n+2k)1kn+2の整数で最大にすればよい。ここで k(n+2k)=(n+22)2(kn+22)2 であるから,k(n+2)/2に最も近い整数を選べばよい。 nが偶数のとき,n+2も偶数である。このとき最大となるのは k=n+22 であり,最大値はQn(n+22)=(n+22)2(n+1)(n+2)=n+24(n+1)である。 nが奇数のとき,(n+2)/2は半整数であるから,最大となるkk=n+12,n+32 の2つである。このとき k(n+2k)=n+12n+32=(n+1)(n+3)4 なので,最大値は (n+1)(n+3)4(n+1)(n+2)=n+34(n+2) である。

別解

解法2

方針

0と2のカードだけを追跡し,組合せを展開せず逐次選択の確率で求める。最大化は平方完成ではなく,隣接差Qn(k+1)Qn(k)の符号を調べ,整数kにおける増減と同率最大の有無を直接判定する。

解答

(1)
積が1以上となるための必要十分条件は,0のカードを取らないことである。各カードが選ばれる確率は等しく,0のカードが選ばれない確率は1kn+2=n+2kn+2である。

(2)
積が2となるには,2のカードを選び,0のカードを選ばなければよい。まず2のカードが選ばれる確率はk/(n+2)である。2が選ばれたとしたとき,残るn+1枚からさらに選ばれるk1枚が0を避ける確率はn+2kn+1である。したがってQn(k)=kn+2n+2kn+1=k(n+2k)(n+1)(n+2).(3)
分母は正でkに依存しないので,f(k)=k(n+2k)の増減を調べる。隣接差はf(k+1)f(k)=(k+1)(n+1k)k(n+2k)=n+12k.よってk<(n+1)/2で増加し,k>(n+1)/2で減少する。

nが偶数なら最大を与える整数はk=n+22のみで,最大値はn+24(n+1).nが奇数ならk=n+12,n+32の2つで最大となり,最大値はn+34(n+2).

総評

難度5,計算量4。目安時間は12分。カードの種類は多く見えるが,判断すべき特殊カードは0と2の2枚だけである。(1)では0を含まないこと,(2)では2を含み0を含まないことを正確に言語化できれば数え上げは短い。(3)は確率の最大化ではなく,整数kに対する2次式k(n+2k)の最大化である。偶奇によって最大を与えるkの個数が変わるため,最大値だけでなくkの値も漏らさず書くことが得点上重要である。

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出典: 名古屋大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。