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名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

以下の問に答えよ。

(1) 関数f(x)は,区間0x2πで第2次導関数f(x)をもち
f(x)>0をみたしているとする。区間0xπで関数F(x)F(x)=f(x)f(πx)f(π+x)+f(2πx)と定義するとき,区間0xπ2F(x)0であることを示せ。

(2) f(x)を(1)の関数とするとき02πf(x)cosxdx0を示せ。

(3) 関数g(x)は,区間0x2πで導関数g(x)をもちg(x)<0をみたしているとする。
このとき,02πg(x)sinxdx0を示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

積分微分三角関数 不等式評価定積分評価置換対称性の利用

方針

F(π/2)=0F(x)0 を示す。(2)は積分区間を4分割してすべて [0,π/2] へ移し、被積分関数を F(x)cosx にまとめる。(3)は x2πx を対にする。

解答

(1)

定義からF(π2)=0.またF(x)=f(x)+f(πx)f(π+x)f(2πx).f(x)>0 より f は増加する。0xπ/2 ではxπ+x,πx2πxだから F(x)0 である。したがって F はこの区間で減少し、F(x)F(π2)=0.(2)

積分を4区間に分け、それぞれを [0,π/2] へ移すと02πf(x)cosxdx=0π/2f(x)cosxdx0π/2f(πx)cosxdx0π/2f(π+x)cosxdx+0π/2f(2πx)cosxdx=0π/2F(x)cosxdx.(1)より F(x)0、またこの区間では cosx0 だから02πf(x)cosxdx0.(3)

後半の積分に t=2πx を用いると02πg(x)sinxdx=0π{g(x)g(2πx)}sinxdx.0<x<π では x<2πx であり、g は減少するのでg(x)>g(2πx).また sinx>0 だから、被積分関数は非負である。よって02πg(x)sinxdx0.

別解

解法2(導関数の積分と部分積分を使う方法)

方針

(1)は関数値の差を導関数の定積分で表し、f の増加性を直接使う。(2)は部分積分後に x2πx を対にする。(3)は g の原始関数を導入して(2)へ帰着する。

解答

(1)

0xπ/2 のときf(πx)f(x)=xπxf(t)dtである。また変数を π だけずらすとf(2πx)f(π+x)=xπxf(t+π)dt.したがってF(x)=xπx{f(t+π)f(t)}dt.f>0 より f は増加し、常にf(t+π)f(t)>0.積分区間の向きも正だからF(x)0.(2)

部分積分により02πf(x)cosxdx=[f(x)sinx]02π02πf(x)sinxdx=02πf(x)sinxdx.一方、02πf(x)sinxdx=0π{f(x)f(2πx)}sinxdx.0<x<π では x<2πx なので、f の増加性から中括弧内は負である。ゆえに右辺は0以下であり、02πf(x)cosxdx0.(3)

G(x)=g(x) となる原始関数 G を取る。f=G とおけばf(x)=G(x)=g(x)>0.したがって(2)を f=G に適用して02πG(x)cosxdx0.また部分積分により02πg(x)sinxdx=02πG(x)sinxdx=[G(x)sinx]02π02πG(x)cosxdx=02πG(x)cosxdx.よって求める不等式が従う。

総評

難度6、計算量5。目安時間は22分。全体を貫くのは、凸性 f>0f の増加性へ言い換え、対称な2点の差の符号を決める考え方である。4区間分割は設問(1)の F をそのまま使う王道で、部分積分はより短く全体構造を示す。定積分はすべて区間と微分 dx を明示し、置換時には積分区間の向きと sin(2πx)=sinx の符号を同時に確認する。

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出典: 名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。