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名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

0a<1を満たす実数aに対し,数列{an}a1=a,an+1=3[an+12]2an(n=1,2,3,)という漸化式で定める。ただし[x]x以下の最大の整数を表す。以下の問に答えよ。

(1) a0a<1の範囲を動くとき,
(x,y)=(a1,a2)の軌跡をxy平面上に図示せよ。

(2) an[an]12ならば,an<an+1であることを示せ。

(3) an>an+1ならば,an+1=3[an]2anかつ
[an+1]=[an]1であることを示せ。

(4) ある2以上の自然数kに対して,a1>a2>>akが成り立つとする。
このときakaの式で表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

数列関数 漸化式の変形、場合分け、数学的帰納法

方針

床関数は整数部分と小数部分に分けて処理する。an=m+um=[an]0u<1 とおくと,[an+1/2]u<1/2 なら mu1/2 なら m+1 である。(1) は初項 0a<1 を2区間に分けて直接描く。(2)(3) は小数部分が 1/2 以上なら増加し,減少するなら小数部分が 0<u<1/2 となって整数部分が1下がることを示す。(4) は減少が続く間 [an]=1n となるため,一次漸化式を解く。

解答

(1) a1=a である。0a<1/2 のとき [a+12]=0 であるから a2=2a である。一方,1/2a<1 のとき [a+12]=1 であるから a2=32a である。

したがって点 (x,y)=(a1,a2) の軌跡は y=2x(0x<12)y=32x(12x<1) である。前者は (0,0) を含み (1/2,1) を含まない線分,後者は (1/2,2) を含み (1,1) を含まない線分である。

(2) an=m+u,m=[an],0u<1 とおく。仮定 an[an]1/2u12 を意味する。このとき [an+12]=m+1 であるから an+1=3(m+1)2(m+u)=m+32u である。したがって an+1an=(m+32u)(m+u)=3(1u) である。u<1 より an+1an>0 となるので an<an+1 である。

(3) an>an+1 とする。(2) の対偶より an[an]<12 である。したがって [an+12]=[an] であり,漸化式から an+1=3[an]2an である。

さらに an=m+um=[an]0u<1/2 とおく。もし u=0 なら an+1=an となり,an>an+1 に反する。よって 0<u<12 である。このとき an+1=3m2(m+u)=m2u だから m1<an+1<m である。したがって [an+1]=m1=[an]1 である。

(4) a1>a2>>ak が成り立つとする。a1=a0a<1 だから [a1]=0 である。また (3) より,減少が1回起こるごとに整数部分は1だけ小さくなる。したがって [an]=1n(1nk) である。

特に 1nk1 では an+1=3[an]2an=3(1n)2an を満たす。ここで bn=an+n43 とおくとbn+1=an+1+n+143=3(1n)2an+n+143=2(an+n43)=2bnである。よって bn=(2)n1b1 であり,b1=a+143=a13 である。したがって an=(2)n1(a13)n+43 である。特に ak=(2)k1(a13)k+43 である。

別解

解法2(明示式を推測して数学的帰納法で確定する)

方針

(1) 〜(3) は小数部分で分岐する。(4) は減少時の整数部分 [an]=1n を使って明示式を推測し,数学的帰納法で確定する。

解答

(1) 0a<1/2 では a2=2a1/2a<1 では a2=32a である。したがって軌跡は解法1の図の2線分となる。

(2) an=m+um=[an]0u<1 と分ける。u1/2 なら an+1an=3(1u)>0 であるから,an<an+1 である。

(3) an>an+1 なら (2) の対偶から 0u<1/2 であり,u=0 では等号となるので実際には 0<u<1/2 である。このとき an+1=3[an]2an[an+1]=[an]1 となる。

(4) a1>a2>>ak とする。[a1]=0 と (3) から [an]=1n (1nk) である。したがって減少が続く間は an+1=3(1n)2an である。最初の数項はa1=a,a2=2a,a3=4a3,a4=8aとなるのでan=(2)n1(a13)n+43を予想する。

実際,n=1 では右辺は a である。n で成り立つと仮定するとan+1=3(1n)2{(2)n1(a13)n+43}=(2)n(a13)(n+1)+43となるから,数学的帰納法により明示式が確定する。よってak=(2)k1(a13)k+43である。

総評

難度6、計算量5。想定時間は20分程度。床関数を含む漸化式を,小数部分 u1/2 未満か以上かで分ける問題である。(2)(3) は符号だけでなく,減少時に整数部分がちょうど1下がることまで示すのが要点になる。(4) はその整数部分の推移を使って普通の一次漸化式に戻せばよい。u=0 の場合は減少にならないため,(3) で 0<u<1/2 と確認する点が細かい落とし穴である。 別解では最初の数項から一般項を予想し,帰納法で符号・定数項まで検算できる。

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出典: 名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。