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名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

aを正の実数とする。放物線y=x2C1,放物線y=x2+4ax4a2+4a4C2とする。
以下の問に答えよ。

(1)(t,t2)におけるC1の接線の方程式を求めよ。

(2) C1C2が異なる2つの共通接線llを持つようなaの範囲を求めよ。
ただしC1C2の共通接線とは,C1C2の両方に接する直線のことである。

以下,aは(2)で求めた範囲にあるとし,llC1C2の異なる2つの共通接線とする。

(3) llの交点の座標を求めよ。

(4) C1llで囲まれた領域をD1とし,不等式xaの表す領域をD2とする。
D1D2の共通部分の面積S(a)を求めよ。

(5) S(a)を(4)の通りとする。aが(2)で求めた範囲を動くとき,S(a)の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

微分図形と方程式積分 接線・法線判別式面積計算微分による最大最小

方針

共通接線を C1 の接点 (t,t2) で表し,接線 y=2txt2C2 に接する条件を判別式0で求める。得られる t の2次方程式が異なる2実根をもつことが,共通接線が2本存在する条件である。2本の接線の交点は根の和と積で整理する。面積では,交点の x 座標が a であることから,xa 側では左側の接線と C1 の差を t1 から a まで積分する。 最後は S(a)=13{a2(12a2)}3/2 と見て,u=a2 に置き換え,区間 0<u<1/2 で2次式 u(12u) の最大値を求める。

解答

(1) C1:y=x2 の導関数は y=2x である。したがって点 (t,t2) における接線の傾きは 2t であり,接線は yt2=2t(xt) すなわち y=2txt2 である。

(2)

(1) の直線が C2 にも接するとする。C2 との交点の x 座標は x2+4ax4a2+4a4=2txt2 を満たす。整理すると x2+(2t4a)x+4a24a4t2=0 である。

この2次方程式が重解をもつことが接する条件であるから,判別式を0にして (2t4a)24(4a24a4t2)=0 を得る。これを整理すると t22at+2a4=0 である。

異なる2つの共通接線をもつには,この t の2次方程式が異なる2つの実数解をもてばよい。したがって (2a)2412a4>0 であり,4a2(12a2)>0 である。a>0 より,求める範囲は 0<a<12 である。

(3) d=12a2 とおく。(2) の2次方程式の2解を t1,t2 とすると t1=a(1d),t2=a(1+d) である。2つの接線は y=2t1xt12,y=2t2xt22 である。

交点の x 座標は 2t1xt12=2t2xt22 より,t1t2 に注意して 2x=t1+t2 である。したがって x=t1+t22=a である。この値を接線の式に代入すると y=2t1at12=t1(2at1) であるが,t1+t2=2a なので y=t1t2=2a4 である。よって交点は (a,2a4) である。

形状確認のため a=12 の場合を描いた。

(4) t1<t2 とする。2本の接線の差は (2t1xt12)(2t2xt22)=2(t1t2)(xa) である。t1<t2 なので,x<a では左側の接線 y=2t1xt12 の方が上にある。

また放物線 C1 とその接線の差は x2(2t1xt12)=(xt1)2 である。したがって D1D2:xa の共通部分の面積はS(a)=t1a{x2(2t1xt12)}dx=t1a(xt1)2dx=(at1)33である。

ここで at1=aa(1d)=ad=a12a2 だから S(a)=a3(12a2)3/23 である。

(5)

(4) より S(a)=13{a2(12a2)}3/2 である。0<a<1/2 なので 0<a2<12 である。ここで u=a2 とおくと,S(a) を最大にするには u(12u)0<u<1/2 で最大にすればよい。

この2次式は u(12u)=2(u14)2+18 であるから,u=1/4 のとき最大値 1/8 をとる。これは a=1/2 に対応し,条件範囲内にある。

したがって S(a)13(18)3/2=296 であり,求める最大値は 296 である。

別解

解法2(両放物線の接線係数を直接比較する)

方針

もう一方の放物線 C2 の接点を s とし,その接線の傾きと切片を C1 の接線と直接比較する。共通接線条件を2つの係数条件に分けることで,交点方程式の判別式を計算せずに接点パラメータ t の2次方程式を得る。後半は解と係数の関係で交点・面積を整理する。

解答

(1) C1 の点 (t,t2) における接線はy=2txt2である。

(2) C2 の点 (s,s2+4as4a2+4a4) における接線はy=(2s+4a)x+s24a2+4a4である。これが上の直線と一致するための条件は2t=2s+4a,t2=s24a2+4a4である。第1式から s=2at であり,第2式へ代入するとt22at+2a4=0を得る。この方程式が異なる2実根をもつ条件は4a2(12a2)>0であるから,a>0 と合わせて 0<a<1/2 である。

(3) 2根を t1<t2 とするとt1+t2=2a,t1t2=2a4である。2接線の交点では2t1xt12=2t2xt22だから x=(t1+t2)/2=a であり,y=t1t2=2a4 である。

(4) d=12a2 とおけば t1=a(1d) である。xa 側では t1 における接線が境界となり,放物線との差は (xt1)2 だからS(a)=t1a(xt1)2dx=(at1)33=a3(12a2)3/23である。

(5) u=a2 とおけばS(a)=13{u(12u)}3/2,0<u<12である。u(12u)=2(u1/4)2+1/8 より,u=1/4,すなわち a=1/2 のとき最大となる。したがって最大値は13(18)3/2=296である。

総評

難度6、計算量6。想定時間は25分程度。前半は文系第1問と同じ共通接線の問題で,t1,t2 の和と積を使って交点と面積を整理するのが計算を抑える鍵である。(4) では xa 側の境界が左側の接線になることを確認する必要がある。(5) は面積式をそのまま微分するより,u=a2 として2次式の最大に帰着すると短く確実に処理できる。 係数比較による別解では,両放物線の接線を接点ごとに書くことで,共通接線条件の由来がより明確になる。

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出典: 名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。