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名古屋大学 2023年度 前期日程 一般選抜文系数学 第3問

数字1が書かれた球が2個,数字2が書かれた球が2個,数字3が書かれた球が2個,数字4が書かれた球が2個,
合わせて8個の球が袋に入っている。カードを8枚用意し,次の試行を8回行う。

袋から球を1個取り出し,数字kが書かれていたとき,

● 残っているカードの枚数がk以上の場合,カードを1枚取り除く。

● 残っているカードの枚数がk未満の場合,カードは取り除かない。

(1) 取り出した球を毎回袋の中に戻すとき,8回の試行のあとでカードが1枚だけ残っている確率を求めよ。

(2) 取り出した球を袋の中に戻さないとき,8回の試行のあとでカードが残っていない確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

確率場合の数 状態分類確率漸化式数え上げ、場合分け

方針

カードが取り除かれるかどうかは,残りカード枚数と出た数字の大小だけで決まる。(1) は復元抽出なので,最初の5回は必ず取り除かれて残り3枚になり,最後3回でちょうど2回取り除かれる確率を,状態ごとの確率で数える。(2) は非復元で8回後に0枚にするには8回すべてで取り除かれる必要がある。後ろから見ると,8回目は1,7回目は2以下,6回目は3以下という条件になり,残り球の個数を順に数える。

解答

(1)
球を毎回戻すので,各回で1,2,3,4の数字が出る確率はいずれも 1/4 である。

最初の5回を考える。残りカードの枚数は,試行前に順に 8,7,6,5,4 である。出る数字は最大でも4なので,この5回は必ずカードが1枚ずつ取り除かれる。したがって5回後の残りカード枚数は3である。

残り3回で最後にカードが1枚だけ残るためには,この3回のうちちょうど2回でカードが取り除かれればよい。ただし,取り除かれる確率は残り枚数によって変わる。

残り枚数が3のとき,数字1,2,3なら取り除かれるので確率は 3/4 である。残り枚数が2のときは確率 1/2,残り枚数が1のときは確率 1/4 で取り除かれる。

最後3回の取り除かれ方を,取り除く場合を R,取り除かない場合を N と書くと,必要なのは RRN,RNR,NRR の3通りである。それぞれの確率は341234,341212,143412である。したがって求める確率は341234+341212+143412=916である。

(2)
球を戻さない場合,8回の試行後にカードが残っていないためには,8回すべてでカードが取り除かれなければならない。最初の5回は(1)と同じ理由で必ず取り除かれる。したがって,6回目,7回目,8回目に必要な条件だけを調べればよい。

5回取り除かれた後,6回目の前の残りカードは3枚であるから,6回目の数字は3以下でなければならない。7回目の前は2枚なので,7回目の数字は2以下でなければならない。8回目の前は1枚なので,8回目の数字は1でなければならない。

後ろから順に数える。8回目が1である確率は 28 である。この1を取り除いた後,残り7個の中には,数字1が1個,数字2が2個,数字3が2個,数字4が2個ある。

7回目が1である場合,その確率は 1/7 である。このとき残り6個のうち6回目に許される数字2,3は合わせて4個あるので,6回目の条件を満たす確率は 4/6 である。

7回目が2である場合,その確率は 2/7 である。このとき残り6個のうち6回目に許される数字1,2,3は合わせて4個あるので,やはり確率は 4/6 である。

したがって求める確率は28(1746+2746)=114である。

別解

別解(状態漸化式と並びの直接計数)

方針

(1) は『残り m 枚からあと j 回で1枚にする確率』を状態漸化式で求める。(2) は8個の数字列を同じ数字2個ずつの多重集合順列として数え,最後の3位置の条件を場合分けする。

解答

(1)
最初の5回は必ずカードが1枚ずつ減るので,残り3枚から始める最後の3回だけを考える。Fj(m) を『残り m 枚の状態からあと j 回の試行を行って1枚になる確率』とする。1m4 では1回の試行で減る確率が m/4 だからFj+1(m)=m4Fj(m1)+(1m4)Fj(m),ただし F0(1)=1F0(m)=0 (m1) である。

これを順に計算するとF1(2)=12,F2(2)=34,F2(3)=38であり,F3(3)=34F2(2)+14F2(3)=3434+1438=916.(2)
同じ数字2個ずつを区別しない8個の数字列は8!2!2!2!2!=2520通りである。8回すべてでカードを取り除くには,6番目が3以下,7番目が2以下,8番目が1であることが必要十分である。

8番目と7番目がともに1のとき,6番目が2なら残りは30通り,3なら30通りで,合計60通りである。8番目が1,7番目が2のとき,6番目が1なら30通り,2なら30通り,3なら60通りで,合計120通りである。

したがって有利な並びは 60+120=180 通りであり,求める確率は1802520=114である。

総評

目安時間は18分。最初の5回は必ずカードが減ることが出発点である。(1) は成功・失敗列の列挙と状態漸化式で 9/16 を確認した。(2) は後ろ3回の条件付き確率と多重集合順列の直接計数で 1/14 を確認した。非復元抽出で分母が毎回変わる点に注意する。

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出典: 名古屋大学 2023年度 一般選抜 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。