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名古屋大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

1つのサイコロを3回投げる。
1回目に出る目をa,2回目に出る目をb,3回目に出る目をcとする。
なおサイコロは1から6までの目が等しい確率で出るものとする。

(1) ab+2cabcとなる確率を求めよ。

(2) ab+2c2abcが互いに素となる確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率整数場合の数 数え上げ、最大公約数、場合分け、偶奇性

方針

全事象は (a,b,c)63=216 通りである。(1)は不等式を ab(c1)2c に直し、c=1c2 に分けて、各 c で許される ab の範囲を数える。(2)は 2abc が偶数であることから ab+2c が奇数でなければならず、まず a,b が奇数に限られる。そのうえで、奇数素因数について ab+2c2c(modp) を使い、条件を gcd(ab,c)=1 に帰着して数える。

解答

(1)
条件 ab+2cabcab(c1)2c と同値である。 c=1 のときは左辺が0なので、任意の (a,b) で条件が成り立つ。したがって 36 通りである。 c2 のときは ab2cc1 である。各 c について、1a,b6 を満たす組の個数を数えるとcab2cc1(a,b) の個数2ab483ab354ab8335ab10436ab1253である。たとえば ab4 の場合は (a,b)=(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(2,1),(2,2),(3,1),(4,1) の8通りである。

したがって有利な場合は 36+8+5+3+3+3=58 通りであり、求める確率は 58216=29108 である。

(2) N=ab+2c,M=2abc とおく。M は偶数であるから、N が偶数なら NM は互いに素でない。2c は偶数なので、N=ab+2c が奇数であるためには ab が奇数、すなわち a,b{1,3,5} でなければならない。

以下、a,b は奇数とする。奇数の素数 pab を割るとき、N=ab+2c2c(modp) である。p2 なので、pNpc と同値である。また、pc のときは N=ab+2cab(modp) である。したがって NM=2abc が互いに素であるための条件は a,b{1,3,5},gcd(ab,c)=1 である。 (a,b)ab が3や5で割り切れるかで分類する。ab の性質(a,b) の個数c の個数3でも5でも割り切れない163だけで割り切れる345だけで割り切れる3535の両方で割り切れる23である。よって有利な場合は 16+34+35+23=39 通りである。したがって求める確率は 39216=1372 である。

別解

解法2

方針

(1)c ではなく積 m=ab を先に固定し、許される c の個数を m2,m=3,m=4,m5 に分ける。(2)はユークリッドの互除法の考えで、互いに素の条件を a,b が奇数かつ gcd(ab,c)=1 に言い換え、今度は c の素因数から (a,b) を数える。

解答

(1) m=ab とおく。条件はm+2cmc,c(m2)mである。

m2 なら6個の c がすべて可能である。このような (a,b)
(1,1),(1,2),(2,1) の3組である。m=3 なら c3 であり、
(a,b)=(1,3),(3,1) の各々に3個の c がある。m=4 なら c2 であり、
(1,4),(2,2),(4,1) の各々に2個の c がある。

最後に m5 ならmm2<2であるから c=1 だけが可能である。この範囲の (a,b)
36323=28 組である。したがって有利な場合は36+23+32+281=58通りであり、求める確率は5863=29108である。

(2) N=ab+2c, M=2abc とおく。NM が互いに素なら、偶数 M に対して N は奇数でなければならない。よって ab は奇数、すなわちa,b{1,3,5}である。

この条件のもとでは N は奇数なので、共通素因数として2を考える必要はない。奇素数 pabN=ab+2c をともに割れば pc であり、逆に pcN をともに割れば pab である。したがってgcd(N,M)=1a,b{1,3,5}, gcd(ab,c)=1.ここで c を先に固定する。c=1,2,4 は3でも5でも割り切れないので、
(a,b){1,3,5}2 の9組がすべて可能である。c=3,6 では a,b に3を含められず、
(a,b){1,5}2 の4組ずつである。c=5 では a,b に5を含められず、
(a,b){1,3}2 の4組である。よって有利な場合は39+24+4=39通りであり、求める確率は39216=1372である。

総評

確率と整数の融合問題。目安時間は13〜18分。公式出題意図は、整数の性質を用いた系統的な数え上げの論証力と計算力を評価するとしている。(1)は c 固定と積 ab 固定の2方向で58通りが一致する。(2)は偶奇だけで終えず、a,b が奇数かつ gcd(ab,c)=1 が必要十分であることを共通素因数の議論で示す。分母は条件付きの9組ではなく全事象 63=216 通りである。

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出典: 名古屋大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。