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名古屋大学 2023年度 前期日程 一般選抜理系数学 第2問

0<b<aとする。xy平面において,原点を中心とする半径rの円C
(a,0)を中心とする半径bの円Dが2点で交わっている。

(1) 半径rの満たすべき条件を求めよ。

(2) CDの交点のうちy座標が正のものをPとする。Px座標h(r)を求めよ。

(3)Q(r,0)と点R(ab,0)をとる。
Dの内部にあるCの弧PQ,線分QR,および線分RPで囲まれる図形をAとする。
xyz空間においてAx軸の周りに1回転して得られる立体の体積V(r)を求めよ。
ただし,答えにh(r)を用いてもよい。

(4) V(r)の最大値を与えるrを求めよ。また,そのrr(a)とおいたとき,
lima(r(a)a)を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

積分図形と方程式微分 座標設定体積計算微分による最大最小極限計算

方針

2円が2点で交わる条件は中心間距離と半径の和・差で決まる。交点の x 座標は2つの円の方程式を引いて求める。体積は,x=ab から x=h までは線分 RP の回転,x=h から x=r までは円 C の弧の回転として分けて積分する。最大化は,得られた V(r)h(r) を代入して因数分解し,ab<r<a+b で微分係数の符号を読む。

解答

(1)
2つの円の中心間距離は a であり,半径は rb である。2点で交わるためには,一方が他方の内部に接したり,外接したりせず,中心間距離が半径の差より大きく和より小さければよい。0<b<a なので条件は ab<r<a+b である。

(2)
交点 (x,y)x2+y2=r2,(xa)2+y2=b2 を満たす。2式の差をとると (xa)2x2=b2r2 であり,2ax+a2=b2r2 となる。よって交点の x 座標は h(r)=a2+r2b22a である。

(3)
以下 h=h(r) と書く。P は円 C 上の点なので P=(h,r2h2) である。また Q=(r,0),R=(ab,0) である。領域 Ax 軸のまわりに回転するので,断面半径の2乗を積分すればよい。

まず abxh では,上側の境界は線分 RP である。直線 RP(ab,0)(h,r2h2) を通るから y=r2h2ha+b(xa+b) である。したがってこの部分の回転体積は πabhr2h2(ha+b)2(xa+b)2dx である。

次に hxr では,上側の境界は円 C の弧であり y=r2x2 である。したがってこの部分の回転体積は πhr(r2x2)dx である。よってV(r)=πabhr2h2(ha+b)2(xa+b)2dx+πhr(r2x2)dxである。

第1項はπr2h2(ha+b)2[(xa+b)33]abh=π3(r2h2)(ha+b)であり,第2項は π[r2xx33]hr=π3(2r33r2h+h3) である。したがって V(r)=π3{(r2h2)(ha+b)+2r33r2h+h3} である。

(4)
(3)の式に h=a2+r2b22a を代入して整理すると V(r)=π(a+br)(ra+b)2(a2+3arb2+br)12a2 である。ab<r<a+b で考える。

微分すると V(r)=πr(ra+b)3a2{3a2+2ab+b2(3a+b)r} である。範囲内では r>0,ra+b>0 なので,V(r) の符号は 3a2+2ab+b2(3a+b)r で決まる。したがって r=3a2+2ab+b23a+b を境に,V(r) は増加から減少に変わる。

この値が範囲内にあることを確認する。まず 3a2+2ab+b23a+b(ab)=2b(a+b)3a+b>0 であり,また a+b3a2+2ab+b23a+b=2ab3a+b>0 である。よってこの r は確かに ab<r<a+b にあり,最大値を与える。

したがって r(a)=3a2+2ab+b23a+b である。このとき r(a)a=3a2+2ab+b2a(3a+b)3a+b=b(a+b)3a+b であるから lima(r(a)a)=b3 である。

別解

別解(円錐と球冠の体積)

方針

領域の回転体を,線分 RP が作る円錐と,弧 PQ が作る球冠に分ける。これにより(3)の積分を既知の体積公式で短く処理する。(4) は得られた因数分解式を微分し,定義域内で符号を決める。

解答

(1)
中心間距離が a,半径が r,b なので,2点で交わる条件はrb<a<r+b.0<b<a を用いて整理するとab<r<a+b.(2)
2円の方程式を引けば2ax+a2=b2r2,よってh(r)=a2+r2b22a.(3)
h=h(r)yP=r2h2 とおく。abxh の部分を回転すると,頂点 R,底面半径 yP,高さ ha+b の円錐になる。その体積はV1=π3(r2h2)(ha+b).hxr の部分は,半径 r,高さ rh の球冠である。球冠の体積公式 πH2(3rH)/3H=rh を代入してV2=π3(rh)2(2r+h)=π3(2r33r2h+h3).したがってV(r)=π3{(r2h2)(ha+b)+2r33r2h+h3}.(4)
h=(a2+r2b2)/(2a) を代入して整理するとV(r)=π(a+br)(ra+b)2(a2+3arb2+br)12a2.微分するとV(r)=πr(ra+b)3a2{3a2+2ab+b2(3a+b)r}.定義域では前二因子が正なので,増加から減少へ変わるのはr(a)=3a2+2ab+b23a+bである。この値と両端との差はr(a)(ab)=2b(a+b)3a+b>0,a+br(a)=2ab3a+b>0だから,確かに定義域内で最大を与える。最後にr(a)a=b(a+b)3a+bb3(a).

総評

目安時間は30分。2円の交点条件と交点座標は標準的だが,回転体を x=h で分けることが山である。断面積分と『円錐+球冠』の2通りで体積式を確認した。最大点では微分係数の因子の符号と,候補が (ab,a+b) 内にあることを必ず示す。

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出典: 名古屋大学 2023年度 一般選抜 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。