方針
(1) は係数和なので Pn(1) を計算する。(2) は Pn(x)=∑nBmxm に x+1 を代入し,二項定理で各 (x+1)m を展開する。(3) は(2)の xk の係数を左辺として読み取り,一方で Pn(x+1)=(x+1)(x+2)⋯(x+n)=Pn+1(x)/x と書いて右辺の係数を読む。次数が1つずれるため n+1Bk+1 になる点に注意する。
解答
(1) Pn(x)=m=1∑nnBmxm に x=1 を代入すると Pn(1)=m=1∑nnBm である。一方,定義より Pn(1)=1⋅2⋅3⋯n=n! である。したがって ∑m=1nnBm=n! が成り立つ。
(2) Pn(x)=m=1∑nnBmxm であるから,x を x+1 に置き換えると Pn(x+1)=m=1∑nnBm(x+1)m である。二項定理より (x+1)m=mC0+mC1x+⋯+mCmxm なのでPn(x+1)=m=1∑nnBm(mC0+mC1x+⋯+mCmxm)である。これは問題の等式そのものである。
(3)
(2)の右辺から xk の係数を読む。(x+1)j の中で xk の係数は,j≧k のとき jCk,j<k のとき0である。したがって xk の係数は j=k∑nnBj⋅jCk である。
一方,定義から Pn(x+1)=(x+1)(x+2)⋯(x+n) である。また Pn+1(x)=x(x+1)(x+2)⋯(x+n) だから Pn(x+1)=xPn+1(x) である。ここで Pn+1(x)=m=1∑n+1n+1Bmxm なので xPn+1(x)=m=1∑n+1n+1Bmxm−1 である。この式の xk の係数は,m−1=k,すなわち m=k+1 に対応する n+1Bk+1 である。
同じ整式 Pn(x+1) の xk の係数を比較して j=k∑nnBj⋅jCk=n+1Bk+1 を得る。
別解
別解(導関数で係数を直接取り出す)
方針
整式の xk の係数が k 階導関数の x=0 での値を k! で割ったものになることを使う。Pn(x+1) を Pn の係数表示から微分した値と,Pn+1(x)/x の係数表示から読んだ値で比較する。
解答
(1) m=1∑nnBm=Pn(1)=1⋅2⋯n=n!.(2)Pn(x)=m=1∑nnBmxm の両辺で x を x+1 に替えればPn(x+1)=m=1∑nnBm(x+1)m.各項に二項定理を用いると,問題文の等式を得る。
(3)
整式 F(x) の xk の係数は F(k)(0)/k! である。F(x)=Pn(x+1) とおくとk!F(k)(0)=k!1j=k∑nnBj(j−k)!j!=j=k∑nnBjjCk.一方F(x)=Pn(x+1)=xPn+1(x)=m=1∑n+1n+1Bmxm−1.この整式の xk の係数は n+1Bk+1 である。二つの係数表示を比較してj=k∑nnBjjCk=n+1Bk+1を得る。
総評
目安時間は15分。係数和への代入,二項展開,係数比較という誘導を正確に追う。標準の項別二項展開に加え,k 階導関数で xk の係数を抽出する方法でも恒等式を確認した。Pn(x+1)=Pn+1(x)/x により添字が1つずれる点が最重要である。
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出典: 名古屋大学 2023年度 一般選抜 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。