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大阪大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

どのような自然数nに対してもk=1n(ak2+bk+1)
常にnで割りきれるような整数abの組(a,b)
0<a6mかつ0<b6m(ただしmは自然数)の範囲に全体で何組あるか。
その個数をmで表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安15

整数数列 和の計算、合同式、数え上げ

方針

和の公式でSn=k=1n(ak2+bk+1)を表し,Sn/nがすべての自然数nで整数になる条件へ直す。分母は6なので,分子が常に23で割り切れる条件を別々に調べる。3での条件はn3の倍数にしたときにa0(mod3)を強制し,2での条件は(a+b)(n+1)が常に偶数であること,すなわちa+bが偶数であることを強制する。最後に1から6mまでのa,bの偶奇を数える。

解答

求める和を Sn=k=1n(ak2+bk+1) とおく。公式k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6,k=1nk=n(n+1)2より Sn=an(n+1)(2n+1)6+bn(n+1)2+n である。したがって Snn=a(n+1)(2n+1)+3b(n+1)+66 である。よって,すべての自然数nSnnで割り切れるためには Nn=a(n+1)(2n+1)+3b(n+1)+6 がすべての自然数n6の倍数になればよい。

まず3で割った余りを見る。3b(n+1)+6は常に3の倍数なので,必要なのは a(n+1)(2n+1) が常に3の倍数になることである。n=3を代入すると (n+1)(2n+1)=47=28 であり,283で割り切れない。したがって a0(mod3) が必要である。逆にa3の倍数なら,この部分はすべてのn3の倍数になる。

次に2で割った余りを見る。6は偶数であり,31(mod2)2n+11(mod2)だから Nna(n+1)+b(n+1)=(a+b)(n+1)(mod2) である。これがすべての自然数nで偶数になるには,n+1が奇数になる場合,たとえばn=2を考えて a+b0(mod2) が必要である。逆にa+bが偶数なら,(a+b)(n+1)はすべてのnで偶数である。

以上より条件は a0(mod3),a+b0(mod2) である。

ここで1a6mのうち,3の倍数は 3,6,9,,6m2m個である。このうち奇数はm個,偶数もm個である。また1b6mのうち,奇数と偶数はいずれも3m個である。

条件a+bが偶数であるためには,a,bの偶奇が一致すればよい。したがって求める組の個数は m3m+m3m=6m2 である。よって 6m2 組である。

別解

解法2

方針

Sn/n の分子を法 6 で見ると、n6 で割った余りだけで決まる。必要条件は n=2,3 から取り出し、得られた 3aa+b 偶数を使って全余りで十分性を確認する。最後に 6m×6m の格子点を偶奇別に数える。

解答

求める和を Sn とし、整数値をとるべき式をP(n)=Snn=a(n+1)(2n+1)6+b(n+1)2+1とおく。P(n)n の2次式であるから、自然数 n に対して常に整数となるための必要十分条件はP(1),ΔP(1),Δ2P(1)がすべて整数であることである。実際、この条件ならP(n)=P(1)+(n1)ΔP(1)+(n1)(n2)2Δ2P(1)の右辺は整数となり、逆は明らかである。

ここでP(1)=a+b+1,ΔP(1)=3a+b2,Δ2P(1)=2a3である。第1式は常に整数であり、残る二式よりa+b0(mod2),a0(mod3)を得る。

1a6m にある 3 の倍数は 2m 個で、そのうち奇数・偶数は各 m 個である。一方、b の奇数・偶数は各 3m 個である。偶奇の一致する組を数えてm3m+m3m=6m2となる。よって答えは 6m2 組である。

総評

和の整除条件を整数値多項式または法2・法3へ翻訳する問題。目安は15分。必要条件だけで止めず、得た合同条件がすべての自然数で十分であることまで示す。最後は3の倍数である a の偶奇が各 m 個、b の偶奇が各 3m 個であることを明記すると数え落としを防げる。

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出典: 大阪大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。