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大阪大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

負でない整数の組x0x1x2x3xn+1=xn3+1 (n=0,1,2,)を満たすとき,以下のことを示せ.

(1) 0n2に対し,xnxn+1は2で割り切れる.

(2) x1を9で割った余りは0,1,2のいずれかである.

(3) x1x2x3は18で割り切れる.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

整数数列 合同式、偶奇性、剰余分類

方針

(1) は,xn が偶数なら積が偶数,xn が奇数なら次の項 xn+1=xn3+1 が偶数になる,という偶奇の連鎖で示す。(2)は整数の3乗を9で割った余りが 0,1,8 に限られることから,x1=x03+1 の余りを決める。(3)は x1 の余り 0,1,2 を順に追い,x1,x2,x3 のどれかが9の倍数になることを示す。最後に(1)から2の倍数であることを合わせ,29 が互いに素であることを使う。

解答

(1) xn が偶数なら,積 xnxn+1 はただちに偶数である。xn が奇数なら,xn3 も奇数であるから xn+1=xn3+1 は偶数である。したがって,xn が偶数の場合も奇数の場合も,少なくとも一方の因数が偶数になる。よって xnxn+1 は 2 で割り切れる0n2 に対して成り立つ。

(2)
整数を9で割った余りだけを見ればよい。余り 0,1,2,,8 の3乗を9で割った余りは,必ず 0,1,8 のいずれかである。実際,3の倍数の3乗は9の倍数であり,それ以外の余りを調べても 1 または 8 になる。

したがって x1=x03+1 を9で割った余りは 0+1,1+1,8+1 を9で割った余りである。すなわち,x1 を9で割った余りは 1,2,0 のいずれかである。

(3)
(2)より,x1 を9で割った余りは 0,1,2 のいずれかである。 x10(mod9) のときは,x1 自身が9の倍数なので,x1x2x3 は9で割り切れる。 x11(mod9) のときは x2=x13+113+12(mod9) であり,さらに x3=x23+123+1=90(mod9) である。したがって x3 が9の倍数である。 x12(mod9) のときは x2=x13+123+1=90(mod9) である。したがって x2 が9の倍数である。

以上の3場合すべてで,x1x2x3 は9で割り切れる。また,(1)を n=1 に用いれば x1x2 は2で割り切れるので,x1x2x3 も2で割り切れる。29 は互いに素であるから,x1x2x318 で割り切れる。

別解

解法2

方針

漸化式を法2と法9の有限状態の写像として見る。法2では毎回偶奇が反転し、法9では1回写した後の余りが 0,1,2 に限られ、その3状態が周期3で巡回することを表にして示す。

解答

(1)
法2ではxn+1=xn3+1xn+1(mod2)である。したがって隣り合う xn,xn+1 の偶奇は異なり、積 xnxn+1 は偶数である。

(2)
法9で r3+1 を調べる。r0,3,6(mod9) なら値は1、r1,4,7(mod9) なら2、r2,5,8(mod9) なら0である。よって x1=x03+1 の余りは0, 1, 2のいずれかである。

(3)
この3状態に写像 T(r)=r3+1(mod9) を作用させると0120となる。したがって連続する x1,x2,x3 のうちちょうど1個は9の倍数であり、9x1x2x3.また(1)より 2x1x2 である。2と9は互いに素だから18x1x2x3.これで3項すべてが示された。

総評

合同式と偶奇性を分けて使う基本的な整数問題である。目安時間は10分。(1) で隣り合う2項のどちらかが偶数になることを示し,(2)(3) で9の倍数性だけを追う構成にすると見通しがよい。x11 の場合は x2 ではなく x3 が9の倍数になる点を落としやすい。最後に「2でも9でも割り切れる」から18の倍数と結論するには,29 が互いに素であることを明記すると答案が締まる。

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出典: 大阪大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。