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大阪大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

放物線C:y=x2+2x+1x軸の共有点をA(a,0)B(b,0)とし,
Cと直線y=mxの共有点をP(α,mα)Q(β,mβ),原点をOとする.
ただしa<bm0α<βとする.
線分OPOACで囲まれた図形の面積と線分OQOBCで囲まれた図形の面積が等しいとき
mの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

積分図形と方程式 面積計算、解と係数の関係、場合分け

方針

放物線の x 軸との交点 a,b と、直線 y=mx との交点 α,β をまず式で結ぶ。αβ=1 から β=1αm=2α+1α と表し、m>0m<0 で交点の位置を分ける。それぞれの位置関係に合わせて面積を積分で表し、等面積条件を α の方程式として解く。

解答

放物線を f(x)=x2+2x+1 とおく。x 軸との交点は x2+2x+1=0 より a=12,b=1+2 である。

直線 y=mx との交点の x 座標 α,βx2+2x+1=mx すなわち x2+(m2)x1=0 の2解である。したがって αβ=1,β=1α であり、α<0<β である。また α+β=2m だから m=2α+1α である。m=0 のときは α=aβ=b であり、問題では m0 である。

まず m>0 の場合を考える。このとき α<a<0<β<b である。左側の面積を SL、右側の面積を SR とするとSL=αa{f(x)mx}dx+a0(mx)dxであり、SR=0βmxdx+βbf(x)dxである。

ここで β=1αm=2α+1α を代入して整理するとSLSR=α6+3α4+162α3+3α2+16α3となる。したがって SL=SR となるためには α6+3α4+162α3+3α2+1=0 であればよい。この左辺はα6+3α4+162α3+3α2+1=(α1+2)(α+1+2){(α22α+1)2+6α2}と因数分解できる。最後の因子は常に正である。m>0 では α<a=12 なので、許される根は α=(1+2) だけである。このときm=2α+1α=2+(1+2)11+2=2+1+2(21)=4.次に m<0 の場合を考える。このとき a<α<0<b<β である。面積はSL=aαf(x)dx+α0mxdxおよびSR=0b(mx)dx+bβ{f(x)mx}dxである。同じく β=1αm=2α+1α を用いるとSLSR=α6+3α4+162α3+3α2+16α3となる。等面積条件から同じ方程式を得るが、その実数根のうち最後の正因子以外から出るものは α=12,α=(1+2) である。前者は m=0 に対応し、後者は a<α<0 を満たさない。したがって m<0 では解はない。

以上より、求める値は m=4 である。

別解

解法2(面積式を単調関数にまとめる)

方針

負の交点を α=ux 軸との負の交点を c と置く。2つの面積を直接積分すると、奇関数 g(x)=x33+x を用いた距離にまとまる。等積条件を h(u)=g(u)+g(1u) の方程式へ変え、その単調性と対称性で解を絞る。

解答

放物線と x 軸との交点はa=12,b=1+2.c=21 とおけば a=cb=c1 である。

直線との交点を α=uβ=u1 とおく。ここで u>0 である。解と係数の関係からαβ=1,m=2+u1u.m=0u=c に対応する。g(x)=x33+xとおく。各領域を放物線と線分の上下関係に従って積分し、上の m を代入すると2SL=g(u)g(c),2SR=g(1u)g(1c).たとえば u>c、すなわち m>0 ではSL=uc{(x2+2x+1)mx}dxc0(mx)dx,SR=01umxdx1u1c(x2+2x+1)dx,を整理すれば上式になる。u<c でも絶対値を付けた同じ式が成り立つ。

したがって等積条件はh(u)=h(c),h(x)=g(x)+g(1x)である。微分するとh(x)=(x21)(x2+1)2x4.ゆえに h(0,1) で減少し、(1,) で増加する。また h(x)=h(x1) である。0<c<1 だから h(u)=h(c) の正の解はu=c,u=1c=1+2だけである。前者は m=0 なので除き、後者を代入するとm=2+(1+2)(21)=4.よって求める値はm=4である。

総評

難度7、計算量7。目安時間は25〜32分。採点ポイントは、αβ=1m=2α+1α を使って変数を α だけにすること、m>0m<0 で交点の位置が変わるため面積式を分けること、最後に因数分解後の根がその場合分けの範囲に入るか確認することです。

誤りやすいのは、図形の面積を左右対称のように扱ってしまうことです。放物線の軸は x=1 であり、原点を通る直線との交点位置は m の符号で変わります。また、因数分解で出る α=12m=0 に対応する境界で、問題の条件から除外されます。積分区間を図で確認しながら式にすることが重要です。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 大阪大学 2003年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。