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大阪大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

平面上に原点 O を中心とする半径1の円 C1 と,
P(0,sinα) を中心とする半径1の円 C2 がある.
ただし 0<α<π2 とする.円 C2x 軸との交点を A,B とし,
A,B を通り y 軸と平行な直線をそれぞれ lA,lB とする.
2直線にはさまれた領域のうち,C1 の外部で C2 の内部にある部分を D1
C2 の外部で C1 の内部にある部分を D2 とする.
D1,D2 をそれぞれ x 軸のまわりに1回転してできる回転体の体積を
V1(α),V2(α) とする.

(1) V1(α)V1(α)V2(α) をそれぞれ求めよ.

(2) 0<α<π2 のとき,
V1(α)V2(α) の最大値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安20

積分図形と方程式三角関数 体積計算定積分評価微分による最大最小

方針

s=sinα, c=cosα と置く。円 C2x 軸の交点は x=±c で、対象はこの範囲の縦断面で考えられる。r(x)=1x2 とすると、C1 の上端は rC2 の上端は s+r、下端は sr である。D1 の回転断面は外半径 s+r、内半径 r の差、D2 は外半径 r、内半径 rs の差として積分する。最後は V1V2=4πcosαsin2α を微分して最大化する。

解答

(1) s=sinα,c=cosα とおく。0<α<π2 より s>0,c>0 である。

C2 は中心 (0,s)、半径1の円だから、x 軸との交点は x2+s2=1 を満たす。したがって交点の x 座標は x=±c であり、2直線 lA,lB にはさまれる範囲は cxc である。

この範囲で r(x)=1x2 とおく。円 C1 の上端は y=r(x)、下端は y=r(x) である。また円 C2 の上端は y=s+r(x)、下端は y=sr(x) である。xc では r(x)s なので、sr(x)0 である。

まず D1 は、円 C2 の内部で円 C1 の外部にある部分である。縦断面で見ると、上側に r(x)ys+r(x) の部分が現れる。これを x 軸のまわりに回転すると、断面積は π{(s+r(x))2r(x)2} である。したがってV1(α)=πcc{s2+2sr(x)}dxである。

ここでcc1x2dx=cs+π2αである。これは単位円の面積を、中心角または x=sinu の置換で計算すれば得られる。よってV1(α)=π{2cs2+2s(cs+π2α)}であり、V1(α)=π{4cs2+s(π2α)} となる。すなわちV1(α)=π{4cosαsin2α+sinα(π2α)}である。

次に D2 は、円 C1 の内部で円 C2 の外部にある部分である。縦断面では下側に r(x)ysr(x) の部分が現れる。これを回転すると、外半径は r(x)、内半径は r(x)s であるから、断面積は π{r(x)2(r(x)s)2} である。よってV2(α)=πcc{2sr(x)s2}dxとなる。上の積分値を用いると V2(α)=πs(π2α) である。

したがって V1(α)V2(α)=4πcosαsin2α である。

(2) h(α)=cosαsin2α とおく。すると h(α)=sinαsin2α+2cos2αsinα であるから h(α)=sinα(2cos2αsin2α) である。0<α<π2 では sinα>0 なので、符号は 2cos2αsin2α で決まる。 sin2α+cos2α=1 を用いると、2cos2αsin2α=02(1sin2α)sin2α=0 すなわち sin2α=23 と同値である。このとき cosα=13 である。 h はこの点まで正、その後負になるので、h はここで最大となる。よってmax(V1(α)V2(α))=4π1323=8π33である。

別解

解法2

方針

s=sinα,c=cosα,r=1x2 とする。
V1 は円板差を通常通り積分する。一方、V1V2 は2つの環状断面積を
先に引くと 2πs2 という定数になり、積分せず幅 2c を掛けるだけで求まる。

解答

(1)
xcr=1x2 とおく。
D1 の回転断面積はπ{(r+s)2r2}=π(s2+2sr).またcc1x2dx=cs+π2αだからV1(α)=π{4cs2+s(π2α)}.D2 の断面積は π{r2(rs)2}=π(2srs2)
したがって断面積の差は 2πs2 で一定でありV1(α)V2(α)=2πs22c=4πcosαsin2α.(2)
u=sin2α とおけば 0<u<1{V1V2}2=16π2u2(1u).u2(1u) の導関数は u(23u) だから u=2/3 で最大。max(V1V2)=4π2313=8π33.

総評

難度は10段階中7、計算量は7。目安時間は20分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

回転断面で D2 の内半径は rs である。差を先に取ると積分項が消える構造を確認する。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

冊子PDFで見る阪大の積分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2002年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。