大阪大学 2022年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- ベクトル
- 解法
- ベクトル成分計算、内積の利用、計算整理
- 難易度
- 4 / 10 計算量 4 / 10 目安 14分
問題
三角形ABCにおいて,辺ABを2:1に内分する点をM,辺ACを1:2に内分する点をNとする.また,線分BNと線分CMの交点をPとする.
(1) APを,ABとACを用いて表せ.
(2) 辺BC,CA,ABの長さをそれぞれa,b,cとするとき,線分APの長さを,a,b,cを用いて表せ.
出典:大阪大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
解法1
1 は AB=u,AC=v とおき,BN 上と CM 上という2通りの表し方を係数比較する。M,N の内分比から AM=32u,AN=31v を先に固定すると,交点条件は2元一次方程式になる。2 は AP=71(4u+v) の長さの2乗を展開し,∣u∣=c,∣v∣=b,∣v−u∣=a から u⋅v を辺長で表す。
解法2(重心座標)
内分点を重心座標で表し,2本の cevian(頂点と対辺上の点を結ぶ線)の交点を一度に求める。交点の重みが A:B:C=2:4:1 と分かれば,位置ベクトルは直ちに得られる。長さは解法1と同様に内積へ戻すが,交点を求める連立方程式を省けるのが利点である。
解答
解法1
(1)
AB=u,AC=v とおく。点 M は辺 AB を 2:1 に内分するので AM=32u である。また点 N は辺 AC を 1:2 に内分するので AN=31v である。
点 P は線分 BN 上にあるから,ある実数 λ を用いて
AP=AB+λBN=u+λ(31v−u)=(1−λ)u+3λv
と表せる。
一方,点 P は線分 CM 上にもあるから,ある実数 μ を用いて
AP=AC+μCM=v+μ(32u−v)=32μu+(1−μ)v
と表せる。 u と v は一次独立なので,係数を比較して 1−λ=32μ,3λ=1−μ を得る。第2式から λ=3−3μ であり,これを第1式に代入すると 1−(3−3μ)=32μ すなわち −2+3μ=32μ である。よって 7μ=6,μ=76,λ=73 である。したがって
AP=(1−73)u+71v=74AB+71AC
である。
(2)
1 より AP=71(4u+v) である。ここで ∣u∣=AB=c,∣v∣=AC=b,∣v−u∣=BC=a である。よって ∣v−u∣2=∣v∣2+∣u∣2−2u⋅v から a2=b2+c2−2u⋅v となり,u⋅v=2b2+c2−a2 である。
したがって
AP2=491∣4u+v∣2=491{16∣u∣2+8u⋅v+∣v∣2}=491{16c2+4(b2+c2−a2)+b2}=4920c2+5b2−4a2.
よって AP=7120c2+5b2−4a2 である。
解法2(重心座標)
(1)
点 M は AM:MB=2:1 を満たすので,M の重心座標は
M=(1:2:0)
である。一方,N は AN:NC=1:2 を満たすので
N=(2:0:1)
である。
直線 CM 上の点の重心座標は
(s:2s:t)
と書け,直線 BN 上の点は
(2u:v:u)
と書ける。交点 P では両者が比例するから,成分比を比較して
s:2s:t=2:4:1
となる。したがって
P=(2:4:1).
よって,原点を A にとれば
AP=2+4+12AA+4AB+AC=74AB+71AC.
(2)
u=AB,v=AC とおくと
また
であるから
AP2=491(4u+v)⋅(4u+v)=491(16c2+8⋅2b2+c2−a2+b2)=4920c2+5b2−4a2.
したがって