方針
は2回の出目を直接列挙する。 は が素数 になる条件を,すべての出目が または で,少なくとも1回は が出ることと読む。出目に現れる素数は だけなので,3種類を排反に数えて余事象を取る。 は が素数 になる条件を で分ける。 では全て偶数から,全て ,全て の場合を除くなど,最大公約数がその素数より大きくなる場合を落とす。
解答
(1) となるには,2つの出目の最小公倍数が5でなければならない。出目は から までなので,可能なのは の3通りである。全体は 通りだから,確率は である。 となるには,2つの出目がともに5の倍数でなければならない。出目の範囲では5の倍数は5だけなので の1通りである。よって確率は である。
(2) が素数である場合を数える。 が素数であるためには,すべての出目が の約数でなければならない。出目の中で使える約数は と だけである。さらに,少なくとも1回は が出なければ,最小公倍数は1になってしまう。
出目に現れる可能性のある素数は である。各 について,各回の出目は または の2通りであり,すべて の1通りを除くので 通りである。 の場合は,最小公倍数が異なるので互いに重ならない。
したがって が素数である出方は 通りである。全体は 通りだから, が素数でない確率は である。
(3) が素数である場合を数える。可能な素数はやはり である。
まず となる場合を考える。すべての出目が2の倍数でなければならないので,各回の出目は のいずれかである。この出方は 通りある。ただし,すべての出目が のとき最大公約数は4であり,すべての出目が のとき最大公約数は6である。これら2通りだけを除けば最大公約数はちょうど2である。よって である。
次に となる場合は,すべての出目が3の倍数,すなわち のいずれかであり,かつすべてが ではない場合である。したがって 通りである。
最後に となるには,すべての出目が5の倍数でなければならない。出目の範囲では5だけなので,すべての出目が5である1通りである。
これらは の値が異なるため互いに排反である。よって が素数である出方は 通りである。したがって が素数でない確率は である。
別解
解法2(倍数集合の包含関係)
方針
最小公倍数については, を「全てが に属し,少なくとも1回 」と集合で数える。最大公約数については, の倍数だけが出る列の個数を とおき,より大きい最大公約数をもつ列を包含関係に沿って引く。個々の列挙をせず,約数の階層で整理する方法である。
解答
(1)
となる列はの3通りである。一方, となる列は の1通りだけである。よって(2)
素数 に対し, となる列全体を とする。各項は のいずれかであり,全てが1の列だけを除くから3集合 は排反なのでしたがって(3)
全ての出目が の倍数である列の個数を とする。出目が1から6なので偶数の出目は だけである。最大公約数が2より大きい偶数になるのは,全て4または全て6の場合だけだから同様に,3の倍数は であり,全て6の場合を除けばよいのでまたしたがってゆえに
総評
公式出題意図は,最小公倍数・最大公約数の基本性質を踏まえ,指定された事象の確率を求める計算力を測るものとしている。 では「1と素数だけ」, では「全てが素数の倍数」という条件の違いを明確にすることが第一歩である。特に で全て4,全て6を除く点が典型的な落とし穴になる。解法2の による整理は,出目の種類が増えた類題にも拡張しやすい。想定時間は18分程度。