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東北大学 2000年度 前期日程文系数学 第1問

数直線上を,原点Oから出発して動く点Aがあるとする.
一つのさいころを振り,その出た目が1のとき点Aを右に1動かし,
出た目が2,3のときは右に2動かすものとする.
また出た目が4のとき左に1動かし,出た目が5,6のときは左に2動かすものとする.
このとき,さいころを5回振った後に点Aが原点にある確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率 数え上げ状態分類、計算整理

方針

5回の移動量の和が 0 になる出方を数える。移動量は +1,+2,1,2 だが、+22 はそれぞれ2つの目に対応するので、単なる符号列ではなく目の重みを含めて数える必要がある。+1,+2,1,2 の出現回数を文字でおき、回数の和と移動量の和の2条件を満たす組を列挙して、最後に各組の並べ方と目の選び方を掛ける。

解答

1回の移動量は、出た目ごとに1+1,2,3+2,41,5,62である。5回のうち、+1,+2,1,2 が出る回数をそれぞれ a,b,c,d とする。5回振るので a+b+c+d=5 であり、5回後に原点にある条件は a+2bc2d=0 である。

この2式を満たす非負整数の組を調べると (a,b,c,d)=(0,2,2,1),(1,1,3,0),(2,1,0,2),(3,0,1,1) である。それぞれについて、+2 の各回には2通り、2 の各回にも2通りの目があるから、該当する出方の数は(a,b,c,d)出方の数(0,2,2,1)5!0!2!2!1!22+1=240(1,1,3,0)5!1!1!3!0!21+0=40(2,1,0,2)5!2!1!0!2!21+2=240(3,0,1,1)5!3!0!1!1!20+1=40である。したがって原点に戻る出方は 240+40+240+40=560 通りである。

全事象は 65 通りなので、求める確率は 56065=5607776=35486 である。

別解

解法2

方針

1回の移動をLaurent多項式で表し、5乗の定数項を求める。指数が0になる項だけを、正負の1歩・2歩の個数に分けて抽出する。

解答

1回のさいころ投げに対し、移動後の位置を x の指数で記録する母関数をF(x)=x+2x2+x1+2x2とする。5回後に原点へ戻る出方の数は F(x)5 の定数項である。

+1,+2,1,2 を選ぶ回数を a,b,c,d とすると、定数項を作る条件はa+b+c+d=5,a+2bc2d=0.第2式を第1式と合わせて調べると(a,b,c,d)=(0,2,2,1),(1,1,3,0),(2,1,0,2),(3,0,1,1)だけである。したがって定数項は[x0]F(x)5=5!2!2!1!23+5!1!1!3!2+5!2!1!2!23+5!3!1!1!2=240+40+240+40=560.全事象は 65 通りだから、求める確率は56065=35486.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安は18分。移動量の和を 0 にするだけなら標準的だが、+22 に対応する目が2個ずつあるため、回数の並べ方だけで終わらせると半分以上を数え落とす。答案では、回数条件 a+b+c+d=5、位置条件 a+2bc2d=0、各組の重み 2b+d を順に書くと採点しやすい。生成関数で解く場合も、最後は定数項に対応する組を明示しておくと計算の検算になる。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 前期日程 数学 文系第1問・理系第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。