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東北大学 2000年度 後期日程文系(後期)数学 第4問

平面上の点P(1,5)を出発点とする.
AB 2個の硬貨を同時に投げて表,裏を調べ,
Aの硬貨が表のときはx軸方向に1,裏のときはx軸方向に1だけ点Pを平行移動し,
Bの硬貨が表のときはy軸方向に1,裏のときはy軸方向に1だけ点Pを平行移動する.
AB 2個の硬貨を同時に投げるという試行を続けて8回行った結果,
Pが次の集合に属する確率をそれぞれ求めよ.

(1) 集合{(x,y)y=1}

(2) 集合{(1,1)}

(3) 集合{(x,y)x=1,y>1}

(4) 集合{(x,y)x>1,y>1}

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

確率 独立性の利用、数え上げ、条件付き確率

方針

8回の試行において、硬貨 A の表の回数と硬貨 B の表の回数を別々に数える。x 座標は A の表回数だけで、y 座標は B の表回数だけで決まり、2つは独立な二項分布である。各条件を表回数の条件に翻訳し、必要な二項係数を掛け合わせる。

解答

8回のうち、硬貨 A が表であった回数を HA、硬貨 B が表であった回数を HB とする。A が表なら x1 増え、裏なら 1 減るので、出発点の x=1 から x=1+HA(8HA)=2HA9 である。同様に、出発点の y=5 から y=5+HB(8HB)=2HB3 である。HAHB は独立で、それぞれ8回の公平な硬貨投げの表の回数である。

(1) y=12HB3=1 より HB=2 と同値である。したがって確率は 8C228=28256=764 である。

(2) (x,y)=(1,1)2HA9=1,2HB3=1 より HA=5,HB=2 である。独立性から8C5288C228=5628216=492048である。

(3) x=1HA=5 である。また y>12HB3>1 より HB3 である。したがって P(HA=5)=8C528=56256 であり、P(HB3)=18C0+8C1+8C228=11+8+28256=219256である。よって求める確率は 56256219256=15338192 である。

(4) x>12HA9>1 より HA6 である。したがってP(HA6)=8C6+8C7+8C828=28+8+1256=37256である。y>1 は(3)と同じく HB3 なので、求める確率は 37256219256=810365536 である。

別解

解法2

方針

2変数生成関数で8回後の座標を記録し、必要な係数を二項係数として読む。x 方向と y 方向の独立性も式から同時に確認する。

解答

1回の試行に対応する変位生成関数は(u+u1)(v+v1)4である。8回後、出発点 (1,5) からの変位が (ξ,η) となる確率は[uξ](u+u1)828[vη](v+v1)828.ここで[u2h8](u+u1)8=8Ch.(1)
y=1η=4、すなわち h=2 なので8C228=764.(2)
x=1ξ=2h=5y=1h=2 だから8C58C2216=492048.(3)
x=1 かつ y>1 は、x 方向の表が5回、y 方向の表が3回以上である。よって8C52828(8C0+8C1+8C2)28=15338192.(4)
x>1 は表が6回以上、y>1 は表が3回以上だから8C6+8C7+8C828219256=810365536.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は24分。2個の硬貨を同時に投げるため一見4通りの試行に見えるが、xy はそれぞれ別の二項分布として独立に扱える。この独立性を明示すると、(2)以降は条件を HA,HB の範囲へ翻訳するだけになる。y>1HB3x>1HA6 であるように、不等号を表回数に戻すところで端点を間違えやすい。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 後期日程 数学 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。