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東北大学 2000年度 後期日程文系(後期)数学 第3問

abca23b2=c2を満たす整数とするとき,次のことを証明せよ.

(1) abの少なくとも一方は偶数である.

(2) abが共に偶数なら,少なくとも一方は4の倍数である.

(3) aが奇数ならbは4の倍数である.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

整数論証・証明 剰余分類、偶奇性、背理法

方針

平方数の剰余に注目する。4 で割った平方数は 0 または 18 で割った平方数は 0,1,4 のいずれかである。(1)は a,b がともに奇数と仮定して 4 で矛盾を出す。(2)は共に偶数だが4の倍数がない場合に2で割って(1)型の矛盾を作る。(3)は a 奇数なら b 偶数であることを使い、b が4の倍数でないと 8 で平方数になれない余りが出ることを示す。

解答

(1)
背理法で示す。a,b がともに奇数であると仮定する。奇数の平方は 4 で割ると 1 余るので a21(mod4),b21(mod4) である。したがって c2=a23b2132(mod4) となる。しかし平方数を 4 で割った余りは 0 または 1 であり、2 にはならない。矛盾である。よって a,b の少なくとも一方は偶数である。

(2) a,b がともに偶数であるとする。もし少なくとも一方が4の倍数でないという結論を否定して、a,b のどちらも4の倍数でないと仮定する。このとき a=2a1,b=2b1 と書くと、a1,b1 はともに奇数である。また a23b2=c2 の左辺は 4 の倍数なので、c も偶数である。c=2c1 とおいて両辺を 4 で割ると a123b12=c12 となる。ところが a1,b1 はともに奇数なので、(1)で示した議論と同じく左辺は 4 で割って 2 余り、平方数になれない。矛盾である。したがって a,b がともに偶数なら、少なくとも一方は4の倍数である。

(3) a が奇数であるとする。(1)より b は偶数である。ここで b が4の倍数でないと仮定すると、b=2b1 かつ b1 は奇数である。したがって b2=4b124(mod8) である。一方、奇数の平方は 8 で割ると 1 余るので a21(mod8) である。よって c2=a23b21341125(mod8) となる。しかし平方数を 8 で割った余りは 0,1,4 のいずれかであり、5 にはならない。矛盾である。したがって b は4の倍数である。

別解

解法2

方針

平方数の4および8を法とする剰余だけで、各主張を順に示す。前の結論を次の仮定へ組み込む。

解答

(1)
a,b がともに奇数ならa23b2132(mod4).しかし平方数は4を法として0または1なので、c22(mod4) は不可能である。
よって a,b の少なくとも一方は偶数である。

(2)
a,b がともに偶数で、しかもどちらも4の倍数でないと仮定する。a=2a1,b=2b1と書けば a1,b1 はともに奇数である。元の式から c も偶数なので c=2c1 と書け、a123b12=c12.これは(1)と同じく4を法として矛盾する。したがって少なくとも一方は4の倍数である。

(3)
a が奇数なら(1)より b は偶数である。b が4の倍数でないならb24(mod8).一方、奇数 a について a21(mod8) だからc2=a23b21125(mod8).平方数の8を法とする剰余は0,1,4だけなので矛盾する。よって b は4の倍数である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は22分。整数問題としては典型的な剰余の証明だが、(2)と(3)で使う法が異なる。(1)(2)は mod4、(3)は mod8 を使うと自然に矛盾が出る。a,b がともに偶数のとき c も偶数になること、b が偶数だが4の倍数でないとき b24(mod8) になることを省かずに書くと、論理の飛びがなくなる。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 後期日程 数学 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。