Evolton

東北大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

ある人がバス停AAB行きのバスに乗り,
バス停BBC行きのバスに乗りかえてバス停Cへ向かうものとする.
バスの発車時刻,バス停での待ち時間,バスの乗車時間は次の5つの条件を満たすものとする.

1. AB行きおよびBC行きのバスは同時刻に3分おきで発車している.

2. バス停Aでの待ち時間は0分または1分または2分で,
それぞれの起こる確率は13である.

3. バス停Bに到着後,最初に発車するC行きのバスに乗りかえる.

4. AB行きのバスの乗車時間は8分または10分で,
それぞれの起こる確率は12である.

5. BC行きのバスの乗車時間は6分または7分で,
それぞれの起こる確率は12である.

ただし,条件2,4,5において,待ち時間,乗車時間の起こり方は独立であるとする.

この人がバス停Aに到着後バス停Cへ到着するまでにかかる時間がn分である確率P(n)を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

確率 状態分類数え上げ

方針

総時間を、A での待ち時間、AB の乗車時間、B での待ち時間、BC の乗車時間の和として整理する。両路線は同時刻に3分おきに出るので、AB が8分なら到着は発車時刻から2分後で次の待ち時間は1分、10分なら1分後で待ち時間は2分になる。あとは独立な3つの選択を表にして、同じ総時間になる場合の確率を足し合わせる。

解答

A での待ち時間を w とする。条件より w=0,1,2 がそれぞれ確率 1/3 で起こる。 AB 行きと BC 行きは同時刻に3分おきに発車する。したがって、A から B までの乗車時間が8分のとき、B 到着は発車時刻から8分後であり、これは3分周期で見ると2分後である。よって次の C 行きまでの待ち時間は1分である。

同様に、A から B までの乗車時間が10分のとき、3分周期で見ると1分後に到着するので、B での待ち時間は2分である。

したがって、AB の乗車時間と BC の乗車時間に応じて、w を除いた時間は次のようになる。ABBでの待ち時間BCwを除いた時間8161581716102618102719これら4通りはそれぞれ確率 1212=14 で起こる。また w=0,1,2 は独立に確率 1/3 で起こるので、表の各行と各 w の組は確率 1/12 である。

したがって総時間は 15+w,16+w,18+w,19+w である。これを数えるとP(15)=112,P(16)=212=16,P(17)=212=16,P(18)=212=16,P(19)=212=16,P(20)=212=16, P(21)=112 である。それ以外の整数 n については P(n)=0 である。

所要時間の合成

別解

解法2

方針

総時間の確率母関数を作る。A での待ち時間の多項式と、2区間の乗車時間および B で決まる待ち時間の多項式を掛け、各次数の係数を読む。同じ時刻へ至る複数経路は係数の加算として自動的にまとまる。

解答

最初のバスが8分かかると、3分周期では到着が2分ずれるため B で1分待つ。10分かかると1分ずれるため2分待つ。したがって、A での待ち時間を除いた所要時間は15, 16, 18, 19であり、それぞれ確率 1/4 である。

A での待ち時間の確率母関数はW(z)=1+z+z23,残りの時間の確率母関数はR(z)=z15+z16+z18+z194である。独立性より総時間の確率母関数はW(z)R(z)=112(1+z+z2)(z15+z16+z18+z19)=112(z15+2z16+2z17+2z18+2z19+2z20+z21).よってP(15)=P(21)=112,P(16)=P(17)=P(18)=P(19)=P(20)=16,それ以外の整数 n では P(n)=0 である。

総評

難度4、計算量4。目安時間は12〜16分。鍵は B での待ち時間を独立な確率変数として置かず、AB の乗車時間から3分周期で決めることである。8分なら待ち1分、10分なら待ち2分になる。最後は12通りの等確率な組を数えるだけだが、16分から20分までは2通りずつ重なるため、端の15分・21分だけ確率が半分になる。表を作ると重複を漏らしにくい。

冊子PDFで見る東北大の確率の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。