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東北大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

平面において,点P(s,t)は原点Oを中心とする半径1の円周上にあり,
Q(u,v)は点(1,0)を中心とする半径1の円周上にある.
PQPQ=1を保ちながら動くとき,次の問いに答えよ.

(1) s1のとき,uvstの式で表せ.

(2) 線分PQの中点の軌跡を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式 円の性質軌跡座標設定

方針

3つの距離条件を連立し、まず s1 の範囲で Q の2つの候補を求める。後二式を引くと u(1s)=vt という直線条件が出るので、円の条件に代入して解く。(2)ではこの2つの枝から中点の円を得るだけでなく、除外していた P=(1,0) の場合を別に戻す。この例外では Q が円周全体を動けるため、3つ目の円が現れる。

解答

(1)
条件は s2+t2=1,(u1)2+v2=1,(us)2+(vt)2=1 である。後の2式を引くと (u1)2+v2(us)2(vt)2=0 であり、s2+t2=1 を用いて整理すると u(1s)=vt を得る。

まず t0 とする。このとき v=u(1s)t であるから、(u1)2+v2=1 に代入して (u1)2+u2(1s)2t2=1 を得る。両辺に t2 を掛けると t2(u22u+1)+u2(1s)2=t2 である。t2=1s2 より u2{t2+(1s)2}2ut2=0 2(1s)u22(1s)(1+s)u=0 となる。いま s1 だから u=0またはu=1+s である。対応する v はそれぞれ v=0,v=t である。

次に t=0 とする。s2+t2=1 かつ s1 より s=1 であり、式 u(1s)=vt から u=0 となる。さらに (u1)2+v2=1 より v=0 である。これは上の2つの候補が一致する場合である。

したがって、s1 のとき (u,v)=(0,0)または(u,v)=(1+s,t) である。

(2)
線分 PQ の中点を (X,Y) とする。

(1) の第1の枝 Q=(0,0) では (X,Y)=(s2,t2) である。s2+t2=1 より X2+Y2=14 を得る。

第2の枝 Q=(1+s,t) では (X,Y)=(s+12,t) であるから (X12)2+Y2=1 を得る。

ただし、(1)では s1 としていたので、P=(1,0) の場合を別に調べる必要がある。このとき P は点 (1,0) と一致するから、条件 Q が点 (1,0) を中心とする半径1の円周上にあることと PQ=1 は同じ条件である。したがって Q=(u,v)(u1)2+v2=1 を満たす円周上をすべて動ける。このとき中点は (X,Y)=(1+u2,v2) であるから (X1)2+Y2=14 を得る。

よって求める軌跡は、次の3つの円周の和集合である。X2+Y2=14,(X12)2+Y2=1,(X1)2+Y2=14図示すると、中心が (0,0)(1/2,0)(1,0) にあり、半径がそれぞれ 1/2,1,1/2 の3円周である。

中点の3円周

別解

解法2

方針

二つの単位円の交点として Q を幾何的に求める。既知の交点 O と、中心線に関するもう一つの交点 (1+s,t) を確認する。中点写像は相似変換なので二つの円周になり、除外した P=(1,0) から第3の円周を補う。

解答

(1)
Q は、中心 (1,0)、半径1の円と、中心 P(s,t)、半径1の円との交点である。原点 O は両方の円上にある。

もう一つの候補Q=(1+s,t)についてQ(1,0)2=s2+t2=1,QP2=1である。s1 なら二円は一致しないので、交点はこの二つだけである。したがって(u,v)=(0,0)または(u,v)=(1+s,t).(2)
中点を (X,Y) とする。Q=O の枝では(X,Y)=(s2,t2),X2+Y2=14.Q=(1+s,t) の枝では(X,Y)=(s+12,t),(X12)2+Y2=1.ただし P=(1,0) の場合、二つの円は一致し、Q は中心 (1,0)、半径1の円周全体を動く。その中点は(X1)2+Y2=14を動く。

以上より軌跡はX2+Y2=14,(X12)2+Y2=1,(X1)2+Y2=14の3円周の和集合である。

総評

(1) の連立自体は短いが、(2)で s=1、すなわち P=(1,0) を戻せるかがこの問題の核心である。目安時間は25〜30分。既存の2つの枝だけで終えると、Q が中心 (1,0) の円周全体を動ける例外を落としてしまう。答案では、まず s1 の計算で2つの候補を出し、そのあと除外した場合を明示的に確認する構成が安全である。図示では円の内部ではなく円周であること、中心と半径を取り違えないことにも注意したい。

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出典: 東北大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。