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東北大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第4問

knを正の整数とする。整数a1,a2,,ak
整数b1,b2,,bkを並べた次のような表を考える。

以下の条件(i),(ii),(iii)を同時に満たすようなすべての表の個数をAn,kとする。

(i) 1a1a2akn

(ii) 1b1b2bkn

(iii) ai<biaj>bjを満たすようなijが存在する。

以下の問いに答えよ。

(1) An,2を求めよ。

(2) An,kが偶数であることを示せ。

(3) A3,3を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28

場合の数整数 余事象、数え上げ対称性の利用

方針

条件(iii)は「どこかで ai<bi があり、別のどこかで aj>bj がある」という条件である。補集合は、すべての iaibi となる場合、またはすべての iaibi となる場合である。対称性によりこの2つは同数で、重なりは ai=bi が全ての i で成り立つ場合である。(2)は上下段を入れ替える対応で偶数性を示し、(3)は n=3,k=3 の非減少列10個を表にして補集合を数える。

解答

(1)
まず条件(i),(ii)だけを満たす表を数える。k=2 では 1a1a2n を満たす組は n+1C2=n(n+1)2 個あり、b1,b2 も同じだけある。したがって全体は {n(n+1)2}2 個である。

次に、すべての iaibi となる表を数える。固定した b1,b2 に対して、a1a2a1b1a2b2 を満たす組を数えると、合計は n(n+1)2(n+2)12 である。上下を入れ替えれば、すべての iaibi となる表も同じ個数である。また両方に含まれるのは ai=bi が全ての i で成り立つ場合で、その個数は n(n+1)2 である。

条件(iii)を満たさない表は、すべて aibi であるか、すべて aibi である表である。よって包除原理によりAn,2={n(n+1)2}22n(n+1)2(n+2)12+n(n+1)2=n(n1)(n2)(n+1)12である。

(2)
条件(i),(ii),(iii)を満たす表に対して、上段と下段を入れ替える対応を考える。つまり (a1,,ak), (b1,,bk)(b1,,bk), (a1,,ak) に対応させる。この対応は再び条件(i),(ii),(iii)を満たす表を与える。

また、条件(iii)を満たす表では、上下段を入れ替えても元の表と同じになることはない。もし同じなら全ての iai=bi となり、条件(iii)に反するからである。したがって表は2つずつ組になる。よって An,k0(mod2) すなわち An,k は偶数である。

(3) n=3,k=3 とする。条件(i)を満たす非減少列は 111,112,113,122,123,133,222,223,233,333 の10通りである。したがって条件(i),(ii)だけを満たす表は 102=100 個である。

次に、すべての iaibi となる表を数える。上の10個の b の列に対して可能な a の個数は順に 1,2,3,3,5,6,4,7,9,10 である。したがってその合計は 1+2+3+3+5+6+4+7+9+10=50 である。すべて aibi の場合も同じく50個である。両方に含まれるのは ai=bi が全ての i で成り立つ10通りである。

よって A3,3=100250+10=10 である。

別解

解法2(交差する並びを直接数える)

方針

k=2 では大小関係が途中で入れ替わる2方向を直接数える。片方の向きは4つの整数の狭義増加列へ写せる。(2)は上下交換の対合、(3)は10個の非減少列から交差する組を列挙する。

解答

(1)
k=2 で条件(iii)が成り立つ一方の向きはa1<b1b2<a2である。ここで(a1,b1,b2+1,a2+1)1,2,,n+1 から選んだ4個の狭義増加列になる。逆の対応も成り立つから、この向きの表はn+1C4個である。

もう一方の向き a1>b1, a2<b2 も同数なのでAn,2=2n+1C4=n(n1)(n2)(n+1)12.(2)
条件を満たす表の上下段を交換する。この操作を2回行えば元に戻る。一方、交換しても変わらない表なら ai=bi がすべての i で成り立ち、条件(iii)に反する。したがって固定点のない2個組ができるので An,k は偶数である。

(3)
1,2,3 から作る長さ3の非減少列は10個である。最初に上段が小さく、後で大きくなる組は(a1a2a3)113113123133133(b1b2b3)122222222222223の5組である。上下を交換した5組も条件を満たすからA3,3=25=10.

総評

難度7、目安時間28分。条件(iii)を直接数えるのではなく、符号が片側にそろう補集合を数えるのが中心である。(1)では包除原理の「引きすぎた全一致を戻す」処理を忘れないこと。(2)の偶数性は、上下段入れ替えが固定点を持たない対合になることを示せばよい。(3)は10個の非減少列を具体的に並べ、aibi の個数を表で数えると、計算の根拠が明確になる。

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出典: 東北大学 2019年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。