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東北大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

a, bを0<a<1,0<b<1を満たす実数とする。
平面上の三角形ABCを考え,辺ABをa:1−aに内分する点をP,
辺BCをb:1−bに内分する点をQ,辺CAの中点をRとし,
三角形ABCの面積をS,三角形PQRの面積をTとする。

(1) TSをa, bで表せ。

(2) a, bが0<a<12,0<b<12の範囲を動くとき,
TSがとりうる値の範囲を求めよ。

(3) p, qを3以上の整数とし,
a=1p,b=1qとする。
TSの逆数STが整数となるような
p, qの組(p, q)をすべて求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22分

ベクトル、整数 面積比、座標設定、文字消去

方針

面積比はアフィン変換で変わらないので,三角形を A=(0,0),B=(1,0),C=(0,1) に標準化する。点 P,Q,R の座標を出し,行列式で T/S を求める。範囲問題では 0<a,b<1/2 で 1−2a>0 となることから,固定した a に対して b が大きいほど面積比が小さくなると見る。整数条件では a=1/p,b=1/q を代入し,S/T が整数になる可能性をまず大小で 3 に絞り,最後に因数分解で (p,q) を決める。

解答

(1)

面積比は三角形 ABC の形によらないので,A=(0,0),B=(1,0),C=(0,1) としてよい。このとき三角形 ABC の面積は S=12 である。

点 P,Q,R の座標は,内分比の定義から P=(a,0),Q=(1−b,b),R=(0,12) である。したがってPQ→=(1−a−b,b),PR→=(−a,12)である。よってT=12∣1−a−b2+ab∣=12{1−a−b2+ab}である。0<a<1,0<b<1 では 1−a−b+2ab=(1−a)(1−b)+ab>0 なので絶対値は外せる。したがって TS=1−a−b+2ab2 である。

(2)

(1) より TS=1−a−b+2ab2=1−a−b(1−2a)2 である。0<a<12 では 1−2a>0 であるから,固定した a に対してこの値は b が大きいほど小さくなる。

上限については,a→0+,b→0+ とすると TS→12 である。一方,a>0,b>0 なので 1−a−b+2ab<1 であり,実際の値は 12 にはならない。

下限については,b→12(下から)とすると 1−a−b+2ab2→1−a−12+a2=14 である。一方,b<12 かつ 1−2a>0 より 1−a−b(1−2a)>1−a−12(1−2a)=12 だから,実際の値は 14 より大きい。したがって値の範囲は 14<TS<12 である。

(3) a=1p,b=1q とすると,(1) より TS=pq−p−q+22pq である。したがって ST=2pqpq−p−q+2 である。 p,q≧3 のとき 14<TS<12 であるから 2<ST<4 である。よって ST が整数であるなら,その値は 3 に限られる。したがって 2pqpq−p−q+2=3 であり,整理すると pq−3p−3q+6=0 である。さらに (p−3)(q−3)=pq−3p−3q+9=3 となる。p−3,q−3 は正の整数なので (p−3,q−3)=(1,3),(3,1) である。よって求める組は (p,q)=(4,6),(6,4) である。

別解

解法2(2本の基底ベクトルの係数で面積比を出す方法)

方針

AB→=u⃗,AC→=v⃗ と置き、各点を u⃗,v⃗ の係数で表す。三角形PQRの面積比は、2辺の係数を交差させた差の絶対値として直接求める。

解答

(1) A を原点とし、AB→=u⃗, AC→=v⃗ とおく。内分点はAP→=au⃗,AQ→=(1−b)u⃗+bv⃗,AR→=12v⃗である。したがってPQ→=(1−a−b)u⃗+bv⃗,PR→=−au⃗+12v⃗.2本のベクトルが作る三角形の面積を係数で比較するとTS=∣(1−a−b)⋅12−b(−a)∣=1−a−b+2ab2.最後の式は (1−a)(1−b)+ab>0 なので絶対値を外せる。

(2) TS−14=(1−2a)(1−2b)4>0,12−TS=a+b−2ab2>0である。a,b をそれぞれ 1/2 または0へ近づければ両端へいくらでも近づけるから14<TS<12である。

(3) a=1/p,b=1/q を代入するとST=2pqpq−p−q+2.(2)より整数値は3しかない。よってpq−3p−3q+6=0  ⟺  (p−3)(q−3)=3.p,q≧3 から(p,q)=(4,6),(6,4)を得る。

総評

難度6、計算量6。想定時間は22分程度。三角形の面積比を座標化と行列式で求め,後半を不等式と整数条件に接続する問題である。面積比は (1−a−b+2ab)/2 であり,ここで 1/2 を落とすと後の整数条件まで結論が変わる。範囲から S/T の整数値を 3 に絞ると,最後は (p−3)(q−3)=3 だけを解けばよい。別解として一般三角形のベクトルで直接行列式を計算することもできるが,標準座標に移す方が検算しやすい。 座標法と基底ベクトル法の双方で面積比を確認し、範囲は差の積への因数分解でも検算した。

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出典: 東北大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。