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東北大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

座標平面において,次の条件(*)を満たす直線lを考える。

(*) lの傾きは1で,曲線y=x3−2xと異なる3点で交わる。

その交点をx座標が小さなものから順にP, Q, Rとし,
さらに線分PQの中点をSとする。

(1) 点Rの座標を(a, a3−2a)とするとき,点Sの座標を求めよ。

(2) 直線lが条件(*)を満たしながら動くとき,点Sの軌跡を求めよ。

(3) 直線lが条件(*)を満たしながら動くとき,
線分PSが動いてできる領域の面積を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安28分

微分、積分、図形と方程式 座標設定、軌跡、面積計算

方針

直線を y=x+c とおくと,交点の x 座標は x3−3x−c=0 の3根になる。最大根を a とし,c=a3−3a を代入して残り2根を根と係数の関係で扱う。3つの異なる交点をもつ条件は,最大根が 1<a<2 を動くことに対応する。掃過面積では,(u,v)=(x,y−x) というせん断で直線群を水平線に直す。この変換は平行四辺形の面積を保つので,線分 PS の水平長を v=c 方向に積分する。

解答

(1)

直線 l の傾きは1なので l:y=x+c とおける。曲線 y=x3−2x との交点の x 座標は x3−2x=x+c すなわち x3−3x−c=0 の解である。

点 R の座標が (a,a3−2a) であるから,a はこの方程式の解であり c=a3−3a である。したがって x3−3x−(a3−3a)=0 であり,左辺を因数分解すると (x−a)(x2+ax+a2−3)=0 である。残り2根,すなわち P,Q の x 座標の和は −a である。よって線分 PQ の中点 S の x 座標は −a2 である。

点 S は直線 y=x+c 上にあるので,y=−a2+a3−3a=a3−72a である。したがって S(−a2,a3−72a) である。

(2) x3−3x−c=0 が異なる3つの実数解をもつのは,y=x3−3x の極大値と極小値の間に c があるときである。x3−3x は x=−1 で極大値 2,x=1 で極小値 −2 をとるから −2<c<2 である。

最大根 a は右側の枝にあるので 1<a<2 である。(1) で S=(X,Y) とおくと X=−a2 であるから a=−2X であり,Y=a3−72a=−8X3+7X である。1<a<2 は −1<X<−12 に対応する。したがって点 S の軌跡は Y=−8X3+7X,−1<X<−12 である。

(3) P,Q の x 座標は,方程式 x2+ax+a2−3=0 の2解である。判別式は a2−4(a2−3)=12−3a2 だから,2解は −a−12−3a22,−a+12−3a22 である。したがって P の x 座標と S の x 座標の差は −a2−−a−12−3a22=12−3a22 である。

ここで (u,v)=(x,y−x) とおく。この変換では,縦方向の長さを変えず,横に平行移動させるだけなので面積は保たれる。また直線 y=x+c は v=c という水平線になる。線分 PS は v=c=a3−3a 上の水平線分になり,その長さは上で求めた 12−3a22 である。 1<a<2 において dcda=3a2−3>0 であるから,c は単調に増加する。よって求める面積 A はA=∫1212−3a22(3a2−3) daである。a=2sin⁡ϕ とおくと,a=1 で ϕ=π6,a=2 で ϕ=π2 であり,12−3a2=23cos⁡ϕ,da=2cos⁡ϕ dϕ である。したがってA=63∫π/6π/2(4sin⁡2ϕ−1)cos⁡2ϕ dϕ=63∫π/6π/2{sin⁡22ϕ−cos⁡2ϕ} dϕである。ここで∫{sin⁡22ϕ−cos⁡2ϕ} dϕ=−sin⁡4ϕ8−sin⁡2ϕ4だからA=63{0−(−3316)}=278となる。したがって求める面積は 278 である。

総評

難度8、計算量7。想定時間は28分程度。3次方程式の3根を交点の x 座標として扱い,根と係数の関係から中点を出す問題である。(2) では3交点条件を 1<a<2 に翻訳すること,(3) では直線群を y−x=c の水平線として見ることが中心になる。最後の面積計算は,線分の長さと dc/da を掛けて積分する形に落とせればよい。別解として包絡線を追う方法も考えられるが,計算量が増えやすい。

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出典: 東北大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。