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東北大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

zを複素数とする。複素数平面上の3点O(0)A(z)B(z2)について,以下の問いに答えよ。

(1) 3点O,A,Bが同一直線上にあるためのzの必要十分条件を求めよ。

(2) 3点O,A,Bが二等辺三角形の頂点になるような
z全体を複素数平面上に図示せよ。

(3) 3点O,A,Bが二等辺三角形の頂点であり,
かつzの偏角θ0θπ3を満たすとき,
三角形OABの面積の最大値とそのときのzの値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安26

複素数平面図形と方程式 複素数の極形式、軌跡微分による最大最小

方針

z=reiθ とおくと,三辺の長さは OA=rOB=r2AB=rz1 になる。(1) の共線条件は,z2z の実数倍になること,つまり z が実数であることに帰着する。(2) の二等辺条件は3辺の等式 OA=OBOA=ABOB=AB に分け,それぞれ単位円,中心1半径1の円,直線 z=1/2 を得る。面積最大では,各軌跡を 0θπ/3 に制限して 12r3sinθ を比較する。

解答

(1) z=0 のときは3点 O,A,B は同一直線上にある。以下 z0 とする。

3点 O(0),A(z),B(z2) が同一直線上にあることは,z2z の実数倍であることと同値である。すなわち,ある実数 λ があって z2=λz となることである。z0 より両辺を z で割ると z=λ となる。したがって z は実数である。

逆に z が実数なら,0,z,z2 はすべて実軸上にあるので3点は同一直線上にある。よって必要十分条件は z が実数であること である。

(2) z=r(cosθ+isinθ)(r=z) とおく。三辺の長さは OA=r,OB=r2,AB=z2z=rz1 である。二等辺三角形になる条件は次の3つのいずれかである。

まず OA=OBr=r2 であり,三角形を作る場合には r0 なので r=1 である。これは単位円である。

次に OA=ABr=rz1 であり,r0 より z1=1 である。これは中心 1,半径 1 の円である。

最後に OB=ABr2=rz1 であり,r0 より z=z1 である。これは2点 0,1 から等距離にある点の集合なので z=12 である。

したがって求める集合は,単位円,中心 1 半径 1 の円,直線 z=12 の和集合から,三角形がつぶれる実軸上の点を除いたものである。

(3) z=r(cosθ+isinθ) とすると,三角形 OAB の面積は,辺 OAOB のなす角が θ であることから 12rr2sinθ=12r3sinθ である。以下,0θπ3 で,(2) の3つの場合を調べる。 r=1 の場合,面積は 12sinθ であり,最大値は θ=π3 のとき 34 である。 z=z1 の場合,極形式では r=12cosθ である。このとき面積は 12(12cosθ)3sinθ であり,0θπ3 で最大となるのは θ=π3 のときで,最大値は 34 である。 z1=1 の場合,極形式では r=2cosθ である。面積は 12(2cosθ)3sinθ=4cos3θsinθ である。これを 0θπ3 で最大化する。微分するとddθ(4cos3θsinθ)=4cos2θ(cos2θ3sin2θ)であるから,最大は tanθ=13,θ=π6 のときに起こる。このとき r=2cosπ6=3 であり,面積は 4(32)312=334 である。

したがって最大値は 334 であり,そのときz=3(cosπ6+isinπ6)=32+32iである。

別解

解法2(実部・虚部の座標で最大化する方法)

方針

z=x+yi と置き、3辺の長さの等式を円2本と垂直二等分線へ直す。面積を 12(x2+y2)y と表し、各軌跡上で座標による最大化を行う。

解答

(1) z=0 なら明らかである。z0 のとき、O,A,B が一直線上にあることは z2/z=z が実数であることと同値である。したがって必要十分条件はz が実数であることである。

(2) z=x+yi とおく。3辺の長さの2乗はOA2=x2+y2,OB2=(x2+y2)2,AB2=(x2+y2){(x1)2+y2}である。三角形を作る場合は z0 だから、二等辺条件は順にx2+y2=1,(x1)2+y2=1,x=12となる。よって単位円、中心 (1,0)・半径1の円、直線 x=1/2 の和集合から、実軸上の退化する点を除いたものが答えである。

(3) 0θπ/3 では y0 である。B=z2=(x2y2)+2xyi だから、三角形の面積 SS=12{2x2yy(x2y2)}=12(x2+y2)y.単位円上では S=y/23/4 である。直線 x=1/2 上では 0<y3/2 で、S=12(1/4+y2)y は増加するから最大は 3/4 である。

残る円 (x1)2+y2=1 では x2+y2=2x なので S=xy である。S2=x2(2xx2)=x3(2x) を微分するとddx{x3(2x)}=2x2(32x)であり、最大は x=3/2 のときである。このとき y=3/2 だからSmax=334,z=32+32i.

総評

難度7、計算量6。想定時間は26分程度。複素数平面上の3点を,三辺の長さと偏角で整理する問題である。二等辺条件は3通りの辺の等式に必ず分ける必要があり,得られる軌跡も円2つと直線1つに分かれる。面積最大では各軌跡ごとに rθ の関係を代入して比較する。実軸上では三角形がつぶれるため,図示ではその除外も忘れない。 極形式と直交座標の2法で最大点を照合し、3種類の軌跡すべてで候補値を比較した。

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出典: 東北大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。