問題
空間において,点を中心とし半径がの球面と,点を中心とし半径がの球面を考える。
(1) 線分の長さを求めよ。
(2) とが交わりをもつことを示せ。この交わりは円となる。この円をとし,その中心をとする。の半径および中心の座標を求めよ。
(3) (2)の円に対し,を含む平面をとする。平面との両方に平行で,大きさが1のベクトルをすべて求めよ。
(4) 点が(2)の円上を動くとき,と平面の距離の最大値を求めよ。また,の最大値を与える点の座標を求めよ。
方針
解法1(交円と平面への正射影)
2つの球面の中心間距離を求め,半径の和と差の間にあることから交わりが円になることを確認する。交円の中心は上にあるので,からの距離をとして,2つの直角三角形の関係からと円の半径を求める。平面はに垂直である。(3)は成分0かつ法線ベクトルに垂直な単位ベクトルを解く。(4)は円上で座標の絶対値を最大にする問題に直し,鉛直方向を平面へ正射影した方向に半径1だけ進む。
別解(コーシーの不等式で高さを最適化)
(1)〜(3)で得た中心と平面を用い、 と置く。円上の条件 と平面条件 から、コーシーの不等式で の上限と等号条件を同時に求める。
解答
解法1(交円と平面への正射影)
(1)
である。したがって である。
(2)
2つの球面の半径はとであり,中心間距離は3である。ここで が成り立つ。したがって2つの球面は交わりをもち,片方が他方に接するだけではないので,交わりは円となる。
この円の中心は,中心を結ぶ直線上にある。,円の半径をとおくと,よりである。円上の点を1つとれば,その点とを結ぶ線分はに垂直であるから, が成り立つ。2式を引くと であり, を得る。よって であるから,円の半径は1である。
また,はからへ向かって距離2だけ進んだ点である。の長さは3なので, である。したがって である。
(3)
平面は円を含む平面であり,中心線に垂直である。したがっての法線ベクトルとして をとれる。
求めるベクトルは平面に平行なので,成分を0として と書ける。またに平行であるから であり, を満たす。大きさが1なので である。を代入して より である。したがって求めるベクトルは
である。
(4)
点は,中心,半径1の円上を動く。と平面との距離はであるから,円上で座標の絶対値を最大にすればよい。
平面上で,座標を最も小さくする向きは,鉛直下向きのベクトル を平面に正射影した向きである。,で, だから,射影ベクトルは
である。その長さは なので,平面上の単位ベクトルとして
を得る。
円の半径は1だから,この方向にから1だけ進む点が座標を最も小さくする点である。よって
である。最後の座標を整理すると である。反対向きに進むと座標はとなり,絶対値はこれより小さい。したがって距離の最大値は であり,そのときの点は
である。
【中心を通る断面】
赤い弦を空間内で回したものが交円 であり、その平面は に垂直である。
別解(コーシーの不等式で高さを最適化)
(1)
中心間距離は3である。
(2)
中心線上で となるので、交円の半径は1、中心は
である。
(3)
交円の平面の法線は であり、 平面にも平行な単位ベクトルは
である。
(4)
円上の点を
とおく。半径が1で、円の平面に平行な変位なので
を満たす。コーシーの不等式から
であり、 を得る。 の高さは なので、 平面からの距離の最大値は
である。
最大距離には変位の 成分が でなければならない。等号条件より は に比例し、 と合わせると
したがって
である。