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東北大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

x2を満たす実数xに対し,f(x)=log(2x3)xとおく。必要ならば,limtlogtt=0であること,
および,自然対数の底e2<e<3を満たすことを証明なしで用いてもよい。

(1) f(x)=g(x)x2(2x3)とおくとき,
関数g(x) (x2)を求めよ。

(2) (1)で求めた関数g(x)に対し,g(α)=0を満たす2以上の実数α
ただ1つ存在することを示せ。

(3) 関数f(x) (x2)の増減と極限limxf(x)を調べ,
y=f(x) (x2)のグラフの概形をxy平面上に描け。ただし,(2)のαを用いてよい。
グラフの凹凸は調べなくてよい。

(4) 2m<nを満たす整数m,nの組(m,n)に対して,等式(2m3)n=(2n3)mが成り立つとする。このような組(m,n)をすべて求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

指数・対数微分整数 増減表グラフの概形、場合分け、素因数分解

方針

(1) は商の微分でf(x)を計算し,指定された分母x2(2x3)に合わせてg(x)を読む。(2)はg(x)=2log(2x3)からgx=2以後で単調減少すること,g(2)>0かつg(x)であることを示す。(3)はfの符号をgの符号で決める。(4)は与式をf(m)=f(n)に変形し,g(6)<0からα<6を示してm6を除く。残るm=2,3,4,5は,両辺が同じ素因数だけを持つことと指数の倍数条件で絞り込む。

解答

(1) f(x)=log(2x3)x である。商の微分より f(x)=x22x3log(2x3)x2 である。分母をx2(2x3)にそろえると f(x)=2x(2x3)log(2x3)x2(2x3) である。したがって g(x)=2x(2x3)log(2x3) である。

(2)
(1)で求めた g(x)=2x(2x3)log(2x3) を微分する。するとg(x)=2{2log(2x3)+(2x3)22x3}=22log(2x3)2=2log(2x3)である。x=2のとき2x3=1なのでg(2)=0であり,x>2では2x3>1より log(2x3)>0 だから g(x)<0 である。したがってgx2で単調減少である。

また g(2)=4(1)log1=4>0 である。一方,t=2x3とおくとx=(t+3)/2であり,xのときtである。よって g(x)=t+3tlogt=t(3t+1logt) となり,logtよりg(x)である。したがって,中間値の考え方と単調性により,g(α)=0 を満たす2以上の実数αはただ1つ存在する。

(3)
x2では x2(2x3)>0 であるから,f(x)の符号はg(x)の符号と一致する。(2)より,g2x<αで正,x=αで0,x>αで負である。したがってf2x<αで増加,x>αで減少 し,x=αで最大値をとる。

また f(2)=log12=0 である。さらにt=2x3とおくと f(x)=logt(t+3)/2=2logtt+3 であり,問題文で与えられた極限limtlogtt=0から limxf(x)=0 である。x>2では2x3>1なのでf(x)>0である。したがってグラフは(2,0)から増加し,x=αで最大となり,その後はx軸の上側から0に近づく形である。

(4)
与式 (2m3)n=(2n3)m の両辺の自然対数をとると nlog(2m3)=mlog(2n3) である。m,nは正で,2m<nだから,両辺をmnで割って log(2m3)m=log(2n3)n となる。すなわち f(m)=f(n) である。

まずm6はありえないことを示す。e<3よりlog3>1であるから g(6)=129log9=1218log3<1218<0 である。g(2)>0かつgは単調減少なので,g(α)=0となるα2<α<6 を満たす。したがってm6ならα<m<nであり,f[m,n]で減少する。よって f(m)>f(n) となって,f(m)=f(n)に反する。したがって m=2,3,4,5 だけを調べればよい。

m=2のとき,与式は 1n=(2n3)2 である。n>2なら2n33なので不可能である。

m=3のとき,3n=(2n3)3 である。右辺が3乗であり,左辺は素数3だけからなるので,nは3の倍数で,かつ2n3は3のべきでなければならない。n=3rとおくと 33r=(2n3)3 より 2n3=3r である。すなわち 6r3=3r,2r1=3r1 である。n>m=3よりr2である。r=2では 2r1=3,3r1=3 となり成立するので,n=6である。r3では,r=33r1=9>5=2r1である。さらに3r1>2r1なら,3r>6r3>2r+1=2(r+1)1なので,帰納的にすべてのr3で等号は成り立たない。したがってm=3からは (m,n)=(3,6) を得る。

m=4のとき,5n=(2n3)4 である。したがってnは4の倍数であり,n=4rとおくと 2n3=5r である。すなわち 8r3=5r である。n>4よりr2であるが,r=25r=25>13=8r3 である。5r>8r3なら5r+1>40r15>8r+5=8(r+1)3なので,帰納的に以後も等号は成り立たない。よってm=4では解はない。

m=5のとき,7n=(2n3)5 である。よってn=5rとおくと 2n3=7r,10r3=7r である。n>5よりr2であるが,r=27r=49>17=10r3 である。7r>10r3なら7r+1>70r21>10r+7=10(r+1)3なので,帰納的に以後も等号は成り立たない。よってm=5でも解はない。

以上より,求める組は (m,n)=(3,6) である。

【グラフの概形】

f[2,α] で増加し、[α,) で減少して 0 に近づく。

別解

別解(単峰性と整数点の値を比較する)

方針

(1) 〜(3)で f が最大点 α の左右で厳密に単調であることを使う。(4)では 3<α<5 を示し、左側の候補 m=2,3,4 を関数値の厳密比較だけで処理する。

解答

(1) g(x)=2x(2x3)log(2x3),g(x)=2log(2x3).(2) したがって gx2 で減少し、零点 α はただ1つである。

(3) f[2,α] で増加し、[α,) で減少する。また f(2)=0x>2f(x)>0f(x)0 である。

(4) g(3)=3(2log3)>0 である。実際 e>2 から e2>4>3、ゆえに log3<2 である。また e<3310<77 から e10<77、したがって 10<7log7 であり、g(5)=107log7<0 である。よって3<α<5.f(m)=f(n) かつ m<n なら、厳密単調性から m<α<n が必要である。したがって左側の整数候補は m=2,3,4 に限られる。

m=2 では f(2)=0 だが n>2 では f(n)>0 なので不可能である。

m=3 ではf(3)=log33=log96=f(6).6>α で、f[α,) で厳密に減少するから、右側で同じ値をとる整数は n=6 だけである。

m=4 が左側にある場合は α>4 であり、右側の整数は n5 である。一方f(4)>f(5)55>74であり、3125>2401 だから実際に f(4)>f(5) である。右側では減少するため f(n)f(5)<f(4) となり不可能である。

よって求める組は (m,n)=(3,6) のみである。

総評

【公式出題意図・講評との対応】 微分によるグラフ考察を整数方程式へ応用する問題である。公式講評では(1)〜(3)に多くの受験生が着手した一方、中間値の定理の使い方や増減表が不十分な答案があり、(4)を全場合について説明できた答案は少なかった。本解説は零点の存在と一意性を分け、(4)の候補排除を帰納法で厳密化した。

難度7、計算量6、想定時間28分。標準解は素因数分解、別解は単峰性と f(3)=f(6) を利用する。どちらも「これ以後は増え方が大きい」とだけ述べず、単調性または帰納不等式で候補が尽きることを示す。

【独立検算】 g の零点を数値的に挟み、3<α<5f(3)=f(6) を確認した。整数 2m<n200 を厳密整数演算で走査し、解が (3,6) のみであることも確認した。

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出典: 東北大学 令和6年度一般選抜(前期日程)数学(公式出題意図・講評照合)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。