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東北大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

座標平面において,x座標もy座標も整数である点全体の集合上を移動する点Pがある。
時刻0に点Pは原点Oにある。
0以上の整数tに対し,時刻tに点Pが点(m,n)にあるとき,
時刻t+1での点Pの位置は4点(m+1,n),(m1,n),(m,n+1),(m,n1)のいずれかであり,また,どの位置にある確率も14である。
以下の問いに答えよ。

(1) 時刻8に点Pが点(4,0)にある確率を求めよ。

(2) 時刻8に点Pが双曲線x2y2=16上にある確率を求めよ。

(3) 時刻8に点Pが双曲線x2y2=16上にあるとき,
時刻1,時刻2,…,時刻7のいずれかに点Pが点(4,2)にある条件付き確率を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率場合の数 数え上げ、条件付き確率、場合分け

方針

8回の移動後の座標は,右左上下の回数を R,L,U,D とおくと x=RLy=UDR+L+U+D=8 で表される。各到達点への経路数は多項係数 8!/(R!L!U!D!) で数える。(1)は目的地 (4,0) への経路数を直接求める。(2)は8歩で到達でき,かつ x2y2=16 を満たす格子点を列挙して経路数を合計する。(3)は条件付き確率なので,(2)の経路のうち途中で (4,2) を通るものを数える。8歩で双曲線に到達する途中で (4,2) にいる時刻は6回目に限られる点を使う。

解答

各移動で右,左,上,下のいずれかに1だけ進む。8回の移動におけるそれぞれの回数を R,L,U,D とすると,R+L+U+D=8,x=RL,y=UD である。また,そのような回数の並べ方は 8!R!L!U!D! 通りである。

(1) 最終位置が (4,0) であるためには RL=4,UD=0,R+L+U+D=8 が必要である。R=L+4U=D とおくと (L+4)+L+2D=8 より L+D=2 である。したがって (L,D)(0,2),(1,1),(2,0) である。

それぞれの経路数は8!4!0!2!2!=420,8!5!1!1!1!=336,8!6!2!0!0!=28である。よって合計は 420+336+28=784 通りである。全事象は 48 通りなので,求める確率は 78448=78465536=494096 である。

(2) 8歩後の点 (x,y) は,x+y8 で,かつ x+y と8の偶奇が一致する点である。条件 x2y2=16(xy)(x+y)=16 である。r=xy, s=x+y とおくと,r,s は同じ偶奇の整数で rs=16 を満たす。奇偶の一致する因数の組は,順序を考えて (r,s)=(2,8),(4,4),(8,2) とこれらをともに負にしたものだけである。x=(r+s)/2, y=(sr)/2 に戻すと,8歩で到達可能な候補は (±4,0),(±5,±3) であり,いずれも x+y8 を満たす。

(1) より,(4,0) への経路数は784通りである。対称性により (4,0) への経路数も784通りである。

次に (5,3) への経路数を数える。条件は RL=5,UD=3,R+L+U+D=8 である。これより R=L+5,U=D+3 で,合計に代入すると (L+5)+L+(D+3)+D=8 すなわち L+D=0 である。したがって L=0,D=0,R=5,U=3 であり,経路数は 8!5!3!=56 通りである。符号を変えた (5,3),(5,3),(5,3) についても同じく56通りである。

したがって,双曲線上にある確率の分子は 784+784+456=1792 である。よって求める確率は 179248=179265536=7256 である。

(3) (2)で数えた1792通りの経路のうち,途中で点 (4,2) を通るものを数える。点 (4,2) までの最短歩数は 4+2=6 である。また1歩ごとに座標和の偶奇が変わるので,この点にいる時刻は6と同じ偶奇でなければならない。したがって8歩以内では時刻6または8だけが考えられるが,時刻8で (4,2) にいる場合は最終点が双曲線上でない。したがって,双曲線上で終わる経路が途中で (4,2) を通るなら,時刻6で (4,2) にいなければならない。

6歩目に (4,2) に到達するには,右へ4回,上へ2回進むしかない。したがってその経路数は 6!4!2!=15 通りである。

残り2歩で,(4,2) から双曲線上の点に到達する可能性を調べる。(2)で得た候補のうち,(4,2) から2歩で到達できるのは (4,0),(5,3) である。(4,0) へは下,下の1通りであり,(5,3) へは右,上の順序を入れ替えて2通りである。したがって残り2歩の進み方は合計 1+2=3 通りである。

よって,双曲線上で終わり,かつ途中で (4,2) を通る経路は 153=45 通りである。条件付き確率は 451792 であるから,求める値は 451792 である。

総評

難易度は6/10で,20〜25分を見込む数え上げの差がつく問題である。(1)は右・左・上・下の回数を固定した多項係数,(2)は不定方程式から双曲線上の到達点を漏れなく列挙すること,(3)は条件付き確率の分母を1792経路とし,途中で (4,2) を通る45経路を数えることが採点点になる。因数 (xy)(x+y)=16 の符号や順序を落とすこと,第1象限だけで数えること,時刻7を候補に入れて偶奇を見落とすこと,分母を 48 のままにすることが典型的な失点である。時間が足りなければ(1)(2)を確実に答案化し,(3)は「時刻6に限る」まで書けば部分点を狙える。

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出典: 東北大学 2026年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。