方針
8回の移動後の座標は,右左上下の回数を とおくと ,, で表される。各到達点への経路数は多項係数 で数える。(1)は目的地 への経路数を直接求める。(2)は8歩で到達でき,かつ を満たす格子点を列挙して経路数を合計する。(3)は条件付き確率なので,(2)の経路のうち途中で を通るものを数える。8歩で双曲線に到達する途中で にいる時刻は6回目に限られる点を使う。
解答
各移動で右,左,上,下のいずれかに1だけ進む。8回の移動におけるそれぞれの回数を とすると, である。また,そのような回数の並べ方は 通りである。
(1) 最終位置が であるためには が必要である。, とおくと より である。したがって は である。
それぞれの経路数はである。よって合計は 通りである。全事象は 通りなので,求める確率は である。
(2) 8歩後の点 は, で,かつ と8の偶奇が一致する点である。条件 は である。 とおくと, は同じ偶奇の整数で を満たす。奇偶の一致する因数の組は,順序を考えて とこれらをともに負にしたものだけである。 に戻すと,8歩で到達可能な候補は であり,いずれも を満たす。
(1) より, への経路数は784通りである。対称性により への経路数も784通りである。
次に への経路数を数える。条件は である。これより で,合計に代入すると すなわち である。したがって であり,経路数は 通りである。符号を変えた についても同じく56通りである。
したがって,双曲線上にある確率の分子は である。よって求める確率は である。
(3) (2)で数えた1792通りの経路のうち,途中で点 を通るものを数える。点 までの最短歩数は である。また1歩ごとに座標和の偶奇が変わるので,この点にいる時刻は6と同じ偶奇でなければならない。したがって8歩以内では時刻6または8だけが考えられるが,時刻8で にいる場合は最終点が双曲線上でない。したがって,双曲線上で終わる経路が途中で を通るなら,時刻6で にいなければならない。
6歩目に に到達するには,右へ4回,上へ2回進むしかない。したがってその経路数は 通りである。
残り2歩で, から双曲線上の点に到達する可能性を調べる。(2)で得た候補のうち, から2歩で到達できるのは である。 へは下,下の1通りであり, へは右,上の順序を入れ替えて2通りである。したがって残り2歩の進み方は合計 通りである。
よって,双曲線上で終わり,かつ途中で を通る経路は 通りである。条件付き確率は であるから,求める値は である。
総評
難易度は6/10で,20〜25分を見込む数え上げの差がつく問題である。(1)は右・左・上・下の回数を固定した多項係数,(2)は不定方程式から双曲線上の到達点を漏れなく列挙すること,(3)は条件付き確率の分母を1792経路とし,途中で を通る45経路を数えることが採点点になる。因数 の符号や順序を落とすこと,第1象限だけで数えること,時刻7を候補に入れて偶奇を見落とすこと,分母を のままにすることが典型的な失点である。時間が足りなければ(1)(2)を確実に答案化し,(3)は「時刻6に限る」まで書けば部分点を狙える。