Evolton

東北大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

座標平面上の曲線Cは,媒介変数tを用いてx=etcost,y=etsint(0tπ2)と表されている。曲線Cy軸に平行な接線をlとし,
曲線C,直線lおよびx軸で囲まれる図形をDとする。以下の問いに答えよ。

(1) 直線lの方程式を求めよ。

(2) 正の実数α,βに対し,次の2つの不定積分を求めよ。I=eαtcosβtdt,J=eαtsinβtdt(3) Dx軸の周りに1回転させてできる立体の体積Vの値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

積分微分図形と方程式 置換、置換積分、体積計算、部分積分

方針

媒介変数表示された曲線では,接線の向きは (dx/dt,dy/dt) で決まる。縦接線は dx/dt=0,かつ dy/dt0 となる点で求める。(2)は部分積分を2回使い,I,J の連立方程式として解く。(3)では,図形 D の境界となる曲線部分が 0tπ/4 に対応し,この範囲で x(t) が増加するので,回転体の体積を πy2dx で表す。最後は三角関数の積を和に直し,(2)の公式を用いて積分する。

解答

(1) 与えられた曲線は x=etcost,y=etsint である。導関数は dxdt=etcostetsint=et(costsint) および dydt=etsint+etcost=et(sint+cost) である。縦接線は dx/dt=0 となる点で生じるので,costsint=0 より t=π4 である。このときdydt=eπ/4(12+12)=2eπ/40であるから,確かに接線は縦である。

したがって,その接線 lt=π/4 における x 座標を用いて x=eπ/4cosπ4=eπ/42 すなわち l:x=eπ/42 である。

(2) I=eαtcosβtdt,J=eαtsinβtdtとおく。問題の条件より β>0 である。

まず I について,cosβt を積分する形で部分積分すると I=eαtsinβtβαβJ である。すなわち βI+αJ=eαtsinβt である。

次に J について,sinβt を積分する形で部分積分すると J=eαtcosβtβ+αβI である。すなわち αI+βJ=eαtcosβt である。

この2本の連立方程式を解くと,(α2+β2)I=eαt(αcosβt+βsinβt)および(α2+β2)J=eαt(αsinβtβcosβt)を得る。したがってI=eαt(αcosβt+βsinβt)α2+β2+C1J=eαt(αsinβtβcosβt)α2+β2+C2である。

(3) 図形 D の境界となる曲線部分は,x 軸上の点 (1,0) に対応する t=0 から,直線 l との接点に対応する t=π/4 までである。したがって 0tπ/4 を用いる。この範囲では dxdt=et(costsint)0 であるから,x は増加する。x 軸のまわりに回転してできる立体の体積 VV=πy2dx で与えられる。媒介変数 t を用いると V=π0π/4(etsint)2et(costsint)dt である。したがって V=π0π/4e3tsin2t(costsint)dt である。

三角関数を積和の形に直す。まず sin2tcost=14(costcos3t) であり,sin3t=14(3sintsin3t) である。よって sin2t(costsint)=14(cost3sintcos3t+sin3t) となる。

したがって,(2)の公式を α=3β=1,3 に対して用いればよい。計算をまとめると,e3tsin2t(costsint)dt=e3t4(3cost4sint5cos3t3)である。

これを 0 から π/4 まで代入する。t=π/4 ではcost=sint=12,cos3t=cos3π4=12であるから,e3π/44(3/24/25+132)=e3π/44215=2e3π/460である。t=0 では 14(3513)=115 である。したがって0π/4e3tsin2t(costsint)dt=2e3π/460115=2e3π/4460である。

よって求める体積は V=π60(2e3π/44) である。

総評

難易度は7/10で,25〜30分を要する理系の差がつく積分問題である。(1)は dx/dt=0 に加えて dy/dt0 を確認すること,(2)は部分積分2回から I,J の連立方程式を正確に解くこと,(3)は図形 D の境界が 0tπ/4 に対応することを確認し,V=πy2dx を立てることが主な採点点になる。曲線全体 0tπ/2 を積分すること,dx/dt を掛け忘れること,三角関数の3倍角変形や端点代入で符号を誤ることが典型的な失点である。(2)の公式を先に完成させ,(3)では被積分関数を cost,sint,cos3t,sin3t の和にしてから代入すると計算が安定する。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2026年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。