方針
高さ z で三角形の板を水平に切る。切り口は x=1−3z 上の線分で、その半幅は 21(1−4z/3) である。この線分を z 軸のまわりに回転すると、断面は外半径と内半径の差で表される環状の領域になる。断面積を z で積分する。
解答
高さ z で板 S を水平に切る。
頂点 P,Q は z=0、頂点 R は z=43 にある。したがって 0≦z≦43 を考えればよい。
高さ z における切り口は、辺 RP, RQ を同じ比で切った線分である。z=0 で x=1、z=3/4 で x=1/4 だから、その高さでの x 座標は x=1−3z である。また y 方向の半幅は、z=0 で 1/2、頂点 R で 0 になるので 21(1−34z) である。
よって切り口はx=1−3z,−21(1−34z)≦y≦21(1−34z)で表される。
この線分を z 軸のまわりに回転させる。高さ z での内半径は 1−3z であり、外半径の2乗は (1−3z)2+41(1−34z)2 である。したがって断面積はπ[(1−3z)2+41(1−34z)2−(1−3z)2]すなわち 4π(1−34z)2 である。
よって体積は∫03/44π(1−34z)2dzである。u=1−4z/3 とおけば dz=−43du なので∫03/44π(1−34z)2dz=4π⋅43∫01u2du=483πである。
線分の位置に依らず、円環の面積は半幅の2乗だけで決まる
別解
解法2
方針
各高さの水平線分を回転してできる円環の面積を求めると、
z 軸から線分までの距離が相殺され、線分の半幅だけで決まる。
その面積は、相似に縮む円板の面積と一致する。断面積の一致を
積分に用い、同じ高さと底面半径をもつ円錐の体積へ置き換える。
解答
板の高さはH=43である。高さ z における水平な切り口は、ある正の
x=xz 上にある線分で、その y 方向の半幅を hz
とする。相似比からhz=21(1−Hz).この線分を z 軸のまわりに回すと、内半径 xz、
外半径 xz2+hz2 の円環になる。したがって
断面積はπ{(xz2+hz2)−xz2}=πhz2.これは、高さ H、底面半径 21 の直円錐を
同じ高さで切った円板の面積と一致する。各高さで断面積が等しい
ので、それを高さについて積分した体積も等しい。
したがって体積は31π(21)243=483π.
総評
水平断面で処理する回転体問題。目安時間は17分。切り口は円板ではなく、z 軸から離れた位置にある線分なので、回転後の断面は環状になる。ただし内外半径の差を取ると x の項が消え、y 方向の半幅だけで断面積が決まる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。
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出典: 東京大学 1984年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。