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東京大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

2以上の自然数kに対してfk(x)=xkkx+k1とおく.
このとき,次のことを証明せよ.

i) n次多項式g(x)(x1)2で割り切れるためには,
g(x)が定数a2,,anを用いてg(x)=k=2nakfk(x)の形に
表されることが必要十分である.

ii) n次多項式g(x)(x1)3で割り切れるためには,
g(x)が関係式k=2nk(k1)2ak=0をみたす定数a2,,anを用いて
g(x)=k=2nakfk(x)の形に
表されることが必要十分である.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安27

数と式論証・証明 展開・因数分解、恒等式比較必要十分条件

方針

まず fk(1)=0, fk(1)=0 を確認し、各 fk(x1)2 で割り切れることを示す。逆向きは、fk の最高次係数が 1 であることを使って g の高い次数から順に消去し、最後に1次以下で (x1)2 で割り切れる多項式は0だけであることを使う。ii) はさらに g(1)=0 を加え、fk(1)=k(k1) を用いる。

解答

i)
まず fk(x)=xkkx+k1 について fk(1)=1k+k1=0 である。また fk(x)=kxk1k より fk(1)=kk=0 である。したがって各 fk(x)(x1)2 で割り切れる。
よって g(x)=k=2nakfk(x) と表されるなら、g(x)(x1)2 で割り切れる。

逆に、g(x)n 次以下の多項式で (x1)2 で割り切れるとする。fn(x) の最高次の項は xn であるから、g(x)xn の係数を消すように an を選べる。次に fn1(x) の最高次の項は xn1 であるから、残った xn1 の係数を消すように an1 を選べる。
この操作を順に続けると、h(x)=g(x)k=2nakfk(x) が1次以下の多項式になるように a2,,an を定められる。

ここで g(x) も各 fk(x)(x1)2 で割り切れるから、h(x)(x1)2 で割り切れる。しかし1次以下の多項式で (x1)2 で割り切れるものは零多項式だけである。したがって h(x)0 であり、g(x)=k=2nakfk(x) と表される。
以上で必要十分性が示された。

ii)
i) より、(x1)2 で割り切れることは g(x)=k=2nakfk(x) と表せることと同値である。
さらに (x1)3 で割り切れるためには、すでに g(1)=g(1)=0 が成り立っているので、g(1)=0 が必要十分である。

ここで fk(x)=k(k1)xk2 だから fk(1)=k(k1) である。したがって g(1)=k=2nakk(k1) である。
よって g(x)(x1)3 で割り切れるための条件は k=2nk(k1)ak=0 であり、これは k=2nk(k1)2ak=0 と同値である。

高い次数から順に消去すると、余りは1次以下になる

別解

解法2

方針

x=1+u と置いて二項展開する。各 fk
u2,,uk のみを含み、uk の係数は1である。
したがって、高い次数から順に項を消して
(x1)2 の倍数を表せる。3重因子の条件は
u2 の係数が0であることになる。

解答

u=x1 とおく。二項定理によりfk(x)=(1+u)kk(1+u)+k1=j=2kk!j!(kj)!uj.特に fku2=(x1)2 で割り切れ、最高次の
uk の係数は1である。

まずg(x)=k=2nakfk(x)と表されれば、各項が u2 の倍数なので g
(x1)2 で割り切れる。

逆に g(x1)2 で割り切れるならg(x)=b2u2+b3u3++bnunと表せる。fnun の係数が1であるから、
適当な anfn を引いて un の項を消せる。
次に fn1un1 の項を消し、同様に
f2 まで続ければg(x)=k=2nakfk(x)を得る。これで i) の必要十分性が示された。

上の二項展開から、fk における u2 の係数はk(k1)2である。したがってk=2nakfk(x)がさらに u3=(x1)3 で割り切れるための必要十分条件は、
u2 の係数が0、すなわちk=2nk(k1)2ak=0である。これで ii) も示された。

総評

多項式を高い次数から消去して表現する証明問題。目安時間は27分。十分性は fk(1)=fk(1)=0 ですぐ示せるが、必要性では fk の最高次係数が 1 であることを使って構成する必要がある。ii) は3重に割り切れる条件を g(1)=0 に直すと、係数条件が自然に出る。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 東京大学 1984年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。