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東京大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

a1とする.
xy平面において,
不等式0xπ21yasinx
によって定められる領域の面積をS1
不等式0xπ20yasinx0y1
によって定められる領域の面積をS2とする.
S2S1を最大にするようなaの値と,S2S1の最大値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

三角関数積分 面積計算微分による最大最小

方針

曲線 y=asinx と直線 y=1 の交点を θ と置き,sinθ=1/a で表す。S1 は曲線が1以上の部分,S2asinx と1の小さい方の下の面積である。まず面積を a,θ で表し,θ の微分も含めて S2S1 を最大化する。端点 a=1 も比較する。

解答

a1 である。まず sinθ=1a,0<θπ2 となる θ をとる。a=1 のときは θ=π/2 である。また cosθ=11a2=a21a である。 S11yasinx の部分なので,asinx1 となる θxπ/2 で積分してS1=θπ/2(asinx1)dx=acosθ(π2θ)=a21π2+θである。

一方,S20yasinx,0y1 を同時に満たす部分である。したがって上端は asinx と1の小さい方であり,S2=0θasinxdx+θπ/21dx=a(1cosθ)+π2θ=aa21+π2θである。

よって H(a)=S2S1=a2a21+π2θ である。a>1 で微分する。sinθ=1/a より cosθθ=1a2 だから θ=1aa21 である。したがってH(a)=12aa21+2aa21=12a21aである。 H(a)=0 とすると a21=a2 であり,a21=a24 より a=23 を得る。1<a<2/3 では H(a)>0a>2/3 では H(a)<0 なので,ここで最大となる。

このとき sinθ=32 より θ=π3 である。また a21=13 なのでH(23)=23213+π2π3=π3である。

したがって a=23,(S2S1)max=π3 である。端点 a=1 では S2S1=1 であり,これは π/3 より小さい。

別解

解法2

方針

交点角 θ を主変数にして a=1/sinθ と表す。面積差を θ の関数として微分すると、導関数が cosθ(2cosθ1) の符号に帰着する。

解答

asinθ=1 (0<θπ/2) とおくとa=1sinθ.面積を区間 [0,θ][θ,π/2] に分けて計算するとS2S1=a2acosθ+π2θ.したがってH(θ)=12cosθsinθ+π2θ.微分して整理するとH(θ)=cosθ(2cosθ1)sin2θ.よって 0<θ<π/3 で増加し、π/3<θπ/2 で減少する。最大はθ=π3,a=23のときであり(S2S1)max=H(π3)=π3.

総評

難易度は6,計算量は5程度である。想定時間は18分から28分程度。2つの面積の定義が似ているので,S1 は「1より上で曲線より下」,S2 は「曲線と1の小さい方より下」と整理すると誤読しにくい。θ を置くと面積はきれいに表せるが,最大化では θa に依存するため,θ を落とさないことが重要である。端点 a=1 の比較も答案に入れると最大値の根拠が明確になる。

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出典: 東京大学 1985年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。