方針
曲線 y=asinx と直線 y=1 の交点を θ と置き,sinθ=1/a で表す。S1 は曲線が1以上の部分,S2 は asinx と1の小さい方の下の面積である。まず面積を a,θ で表し,θ の微分も含めて S2−S1 を最大化する。端点 a=1 も比較する。
解答
a≧1 である。まず sinθ=a1,0<θ≦2π となる θ をとる。a=1 のときは θ=π/2 である。また cosθ=1−a21=aa2−1 である。 S1 は 1≦y≦asinx の部分なので,asinx≧1 となる θ≦x≦π/2 で積分してS1=∫θπ/2(asinx−1)dx=acosθ−(2π−θ)=a2−1−2π+θである。
一方,S2 は 0≦y≦asinx,0≦y≦1 を同時に満たす部分である。したがって上端は asinx と1の小さい方であり,S2=∫0θasinxdx+∫θπ/21dx=a(1−cosθ)+2π−θ=a−a2−1+2π−θである。
よって H(a)=S2−S1=a−2a2−1+π−2θ である。a>1 で微分する。sinθ=1/a より cosθθ′=−a21 だから θ′=−aa2−11 である。したがってH′(a)=1−a2−12a+aa2−12=1−a2a2−1である。 H′(a)=0 とすると a2−1=2a であり,a2−1=4a2 より a=32 を得る。1<a<2/3 では H′(a)>0,a>2/3 では H′(a)<0 なので,ここで最大となる。
このとき sinθ=23 より θ=3π である。また a2−1=31 なのでH(32)=32−2⋅31+π−2⋅3π=3πである。
したがって a=32,(S2−S1)max=3π である。端点 a=1 では S2−S1=1 であり,これは π/3 より小さい。
別解
解法2
方針
交点角 θ を主変数にして a=1/sinθ と表す。面積差を θ の関数として微分すると、導関数が cosθ(2cosθ−1) の符号に帰着する。
解答
asinθ=1 (0<θ≦π/2) とおくとa=sinθ1.面積を区間 [0,θ]、[θ,π/2] に分けて計算するとS2−S1=a−2acosθ+π−2θ.したがってH(θ)=sinθ1−2cosθ+π−2θ.微分して整理するとH′(θ)=sin2θcosθ(2cosθ−1).よって 0<θ<π/3 で増加し、π/3<θ≦π/2 で減少する。最大はθ=3π,a=32のときであり(S2−S1)max=H(3π)=3π.
総評
難易度は6,計算量は5程度である。想定時間は18分から28分程度。2つの面積の定義が似ているので,S1 は「1より上で曲線より下」,S2 は「曲線と1の小さい方より下」と整理すると誤読しにくい。θ を置くと面積はきれいに表せるが,最大化では θ も a に依存するため,θ′ を落とさないことが重要である。端点 a=1 の比較も答案に入れると最大値の根拠が明確になる。
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出典: 東京大学 1985年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。