方針
(1) はまず速度ベクトルを微分で求め,速さそのものではなく二乗を の関数として整理する。 上の3次式の最大・最小を微分で調べればよい。(2)は2つの時刻で同じ点を通ると仮定し,, とおいて 座標の等式を因数分解する。 の場合と の場合を分け,余分な候補を除く。最後に唯一の重複点 を通る時刻で速度ベクトルを計算し,向きを図示できる形で列挙する。
解答
(1)
速度ベクトルはである。 とおくと,, より,速さの二乗は である。これを とおく。 で である。したがって調べる値は である。それぞれとなる。速さは速さの二乗の平方根であるから,最大値は であり,最小値は である。
(2) とおくと である。2つの時刻 で同じ点を通るとし, とおく。 座標が等しいことから であり, を得る。
まず の場合を考える。異なる時刻で同じ余弦をもつなら, では である。 座標も等しいためには が必要なので である。異なる時刻を与えるのは のときで,このとき点は である。
次に の場合を考える。すなわち である。 座標の等しさから である。両辺を2乗し, と , を用いると である。左辺から右辺を引いて整理すると となる。 は であり,異なる2時刻で同じ点を新しく与えない。 または のときは,いずれも である。
以上より, の間に2回以上通過する点はただ一つ である。この点を通る時刻は である。
速度ベクトルは であるから,各時刻で となる。図では点 に,左下向き,上向き,右下向きの3本の速度ベクトルをそれぞれ描けばよい。
別解
解法2
方針
(1) では微分後の速さの二乗を、最大値・最小値との差として完全に
因数分解し、微分を使わずに両端を評価する。(2)では
による2枝表示を作り、同じ をもつ2点が
同じ ももつ条件から自己交点だけを抽出する。
解答
(1)
と置く。速度ベクトルはであり、速さの二乗を とするとこれは次の2通りに因数分解できる。後者では を用いた。等号はそれぞれ
、 で実現する。したがって速さの最大値は最小値はである。
(2)
とすると同じ を与える2つの余弦を とすれば で異なる時刻を取る場合、正弦の符号が逆になる。
まで等しいためには であり、新たな重複は
、すなわち だけである。
の場合は、 の等式を2乗すると を代入して は で新しい2時刻を与えず、 は
いずれも を与える。よって重複点は唯一
である。
通過時刻と速度はとなる。
総評
難度7、計算量7、目安24〜28分。解法1は速さの二乗を微分し、解法2は最大・最小値との差を因数分解して同じ値を得た。自己交点では同じ を与える と を両方調べ、唯一の点 と3本の速度ベクトルを確認した。図は矢印の向きまで式と一致している。