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東京大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

正の整数mk=1,2,,mに対して0akkを満たす整数a1,,amがあたえられたときに[am,am1,,a1]m=amm!+am1(m1)!++a11!とおく.ただしam0とする.

(1) [m,m1,,1]m=[1,0,,0]m+11を証明せよ.

(2) すべての正の整数は[am,am1,,a1]mの形にただ一通りに表示できることを証明せよ.

(3) nが5以上の整数のときn!5[am,am1,,a1]mの形に表示せよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

整数数列論証・証明 和の計算、帰納的定義の利用、一意性証明、場合分け

方針

(1)kk!=(k+1)!k! で望遠和にする。(2)は最大の階乗から順に整数の除法を行い、存在と一意性を示す。(3)は n=5q+r と分け、同じ除法を上位桁から行う。

解答

(1) [m,m1,,1]m=k=1mkk!=k=1m{(k+1)!k!}=(m+1)!1であるから、所要の等式が成り立つ。

(2) 正の整数 N に対し、m!N<(m+1)! となる m を選ぶ。整数の除法によりN=amm!+Rm,0Rm<m!とする。上の範囲から 1amm である。次に Rm(m1)! で割り、この操作を 1! まで続けるとN=amm!+am1(m1)!++a11!,0akkを得るので表示は存在する。各段階の商と余りは整数の除法によりただ一通りであるから、表示も一意である。

(3) n=5q+r (0r4) とおく。書いていない下位桁を0とすればn!5={[q,0,,0]n1,r=0,[q,q,0,,0]n1,r=1,[q,2q,2q,0,,0]n1,r=2,[q,3q+1,q,q,0,,0]n1,r=3,[q,4q+2,2q,4q,4q,0,,0]n1,r=4.実際、n!/5=(q+r/5)(n1)! に (2) の除法を順に適用すればこの桁列を得る。例えば r=3 の下位への余りは 15(n2)!,15(n3)!,0 と続き、r=4 でも同様に計算できる。各桁は対応する上限以下である。

別解

解法2

方針

階乗進法の桁上限を使って、存在は最大桁からの除法、一意性は最上位の相違から示す。(3)は n=5q+r として余りを下位桁へ送る。

解答

(1) kk!=(k+1)!k!なので、k=1,,m について加えるとk=1mkk!=(m+1)!1.右辺は [1,0,,0]m+11 である。

(2)
m!N<(m+1)! を満たす m を選び、Nm!
(m1)!,,1! で順に割る。各商を am,am1,,a1
とすれば、余りが次の階乗未満なので 0akk となり、
am0 である。これで存在が分かる。

一意性は最上位の異なる桁を j として示せる。2つの表示の差では、
j 桁の差の絶対値は少なくとも j! である。一方、それより下の
桁で打ち消せる最大値は (1) よりk=1j1kk!=j!1にすぎない。矛盾だから表示は一意である。

(3) n=5q+r (0r4) とする。省略した末尾はすべて0と約束すればn!5={[q,0,,0]n1(r=0),[q,q,0,,0]n1(r=1),[q,2q,2q,0,,0]n1(r=2),[q,3q+1,q,q,0,,0]n1(r=3),[q,4q+2,2q,4q,4q,0,,0]n1(r=4).これはn!5=(q+r5)(n1)!から始め、分数部分に (n1)=5q+r1 を掛けて次の桁へ送れば順に得られる。
例えば r=4 では分数部分の分子が4, 2, 4, 4, 0と移り、上の5桁になる。各桁はそれぞれの桁番号以下であり、(2)の一意性から
これが求める表示である。

総評

難度は8、計算量は7。階乗進法の桁上限、一意性、nmod5 の5場合を整数計算で照合した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。