方針
傾き の直線を と書く。格子点 からこの直線までの距離は なので、問題は実数 と整数集合との距離に変わる。 は を整数で動かすとすべての整数を取るため、任意の には距離 以下の整数がある。上限を示した後、 の直線でそれより小さい半径が不可能なことを示す。
解答
傾き の直線は と書ける。これを整理して の形で表すことにする。
格子点 からこの直線までの距離は である。
ここで と は互いに素であるから、 はすべての整数値をとる。実際、任意の整数 について とすれば である。
したがって、任意の実数 に対して、ある整数 を選べば とできる。上の を として実現すれば、対応する格子点から直線までの距離は 以下である。よって なら、傾き の任意の直線はどれかの円と共有点をもつ。
次に、これより小さい半径では不十分であることを示す。たとえば を考える。この直線に対しては、任意の格子点 について は整数なので である。したがって、どの格子点からこの直線までの距離も 以上である。半径がこれより小さければ、この直線はどの円とも共有点をもたない。
以上より、求める最小値は である。
総評
格子点と平行直線族の距離を、整数への近さに置き換える問題である。目安時間は12分。上限だけなら「最も近い整数までの距離は高々 」で出るが、最小値を確定するには のように全格子点から同時に遠い直線を示す必要がある。 が全整数を動くことは、互いに素という言葉だけで済ませず、具体例 を添えると明確になる。