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東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

nを正の整数,aを実数とする.すべての整数mに対してm2(a1)m+n22n+1a>0が成り立つようなaの範囲をnを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

整数方程式・不等式 必要十分条件、範囲評価、場合分け

方針

与式をm(m+1)+a(n22n+1m)と書き、aについて一次式として見る。m=0m=nから必要条件0<a<2n+1が出る。十分性では整数mを、m00<mn22n+1m>n22n+1に分け、最後の範囲ではa<2n+1を使って(mn)2で下から評価する。

解答

与えられた式を m2(a1)m+n22n+1a=m(m+1)+a(n22n+1m) と書く。

まず必要条件を求める。m=0を代入すると n22n+1a>0 である。nは正の整数なので a>0 が必要である。またm=nを代入すると n(n+1)+a(n22n+1n)>0 である。ここで n22n+1n=n(n+1)2n+1 だから n(n+1)an(n+1)2n+1>0 である。したがって a<2n+1 が必要である。

次に、0<a<2n+1 ならばすべての整数mで与式が正になることを示す。 m0のとき、整数mについて m(m+1)0 であり、さらに n22n+1m>0 である。a>0より与式は正である。 m>0かつ mn22n+1 のとき、m(m+1)>0であり、第2項も0以上である。したがって与式は正である。

最後に m>n22n+1 とする。このとき n22n+1m<0 である。a<2n+1を負の数に掛けると不等号の向きが逆になるのでa(n22n+1m)>(2n+1)(n22n+1m)である。したがって与式は m(m+1)+(2n+1)(n22n+1m) より大きい。この右辺は m2+m+n2(2n+1)m=m22nm+n2=(mn)2 である。よって与式は(mn)2より大きく、特に正である。

以上より、求める範囲は 0<a<2n+1 である。

別解

解法2(各整数が与える上限を比較)

方針

c=n2/(2n+1) とおき、与式を m(m+1)+a(cm) と見る。係数 cm の符号によって、各整数 ma に課す条件を整理する。上限を与える m>c では、その上限と 2n+1 の差が完全平方になることを示し、最も厳しい整数が m=n だと特定する。

解答

c=n22n+1とおくと、与式はm(m+1)+a(cm)である。

m=0 を代入すると ac>0 であり、c>0 だからa>0が必要である。

mc の整数については、m1 ならm(m+1)>0,a(cm)0である。m0 なら m(m+1)0 かつ cm>0 なので、やはり a>0 のもとで与式は正になる。

残る m>c では cm<0 であるから、条件はa<Rm,Rm=m(m+1)mcと同値である。ここでRm(2n+1)=m(m+1)(2n+1)(mc)mc=m22nm+n2mc=(mn)2mc0.従って、すべての m>c が与える上限は 2n+1 以上である。またnc=n(n+1)2n+1>0なので m=n はこの範囲に属し、等号Rn=2n+1を実現する。

以上より、上限として最も厳しいものは m=n が与えるa<2n+1である。下限 a>0 と合わせて、求める範囲は0<a<2n+1となる。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18分。整数m全体に対する正値条件を、aについての一次不等式として読む問題である。m=0m=nで必要条件がすぐ出るが、十分性を示すにはmの範囲分けが必要である。最後の範囲で負の係数に不等式を掛けるため、不等号の向きを確認することが最も危ない。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。