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東京大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

正四面体の各頂点をA1,A2,A3,A4とする。
ある頂点にいる動点Xは,同じ頂点にとどまることなく,1秒ごとに他の3つの頂点に同じ確率で移動する。
XAin秒後に存在する確率をPi(n) (n=0,1,2,)で表す。P1(0)=14,P2(0)=12,P3(0)=18,P4(0)=18とするとき,P1(n)P2(n) (n=0,1,2,)を求めよ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

確率数列 状態分類漸化式の変形対称性の利用

方針

次に Ai にいる確率は、直前に Ai 以外の3頂点のどれかにいて、そこから Ai に移る確率の和である。各頂点から他の3頂点へ等確率で移るので、Pi(n+1)=(1Pi(n))/3 という1変数漸化式が各 i について独立に成り立つ。平衡値 1/4 との差を取ると公比 1/3 の等比数列になるため、初期値 P1(0),P2(0) を代入して求める。

解答

時刻 n+1Ai にいるためには、時刻 nAi 以外の頂点にいて、そこから Ai へ移ればよい。どの頂点からも他の3頂点へ同じ確率 1/3 で移るから Pi(n+1)=13{1Pi(n)} である。これをPi(n+1)14=1Pi(n)314=13(Pi(n)14)と変形する。

したがって Pi(n)1/4 は公比 1/3 の等比数列であり、Pi(n)14=(Pi(0)14)(13)n が成り立つ。

まず P1(0)=1/4 だから P1(n)14=0 であり、すべての n について P1(n)=14 である。

次に P2(0)=1/2 だからP2(n)14=(1214)(13)n=14(13)nである。したがって P2(n)=14+14(13)n である。

別解

解法2(遷移行列の固有方向)

方針

確率ベクトルを、全成分が 1/4 の平衡部分と、成分和が0のずれに分ける。遷移行列は平衡部分を保ち、ずれを毎秒 1/3 倍することを直接確かめる。

解答

確率ベクトルをP(n)=(P1(n)P2(n)P3(n)P4(n))とする。1秒の遷移を表す行列はT=13(0111101111011110).全成分が1のベクトルを e とすると Te=e である。
一方、成分和が0のベクトル u について、第 i 成分は(Tu)i=13jiuj=13uiとなる。したがって平衡ベクトル e/4 からのずれは毎秒 1/3 倍され、P(n)=14e+(13)n{P(0)14e}.第1成分では初期のずれが0なのでP1(n)=14.第2成分では初期のずれが 1/21/4=1/4 だからP2(n)=14+14(13)n.いずれも n=0 を含むすべての非負整数 n で成り立つ。

総評

難度4、計算量3。各頂点の確率を4変数のまま追わず、平衡値1/4からのずれを見ると一行の等比漸化式になる。第2解法では遷移行列の平衡方向と成分和0の方向を分け、符号が毎回反転する理由まで説明した。初期時刻n=0も公式に含まれる。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 前期 文科 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。