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東京大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

xy平面内の領域1x1,1y1において1axbyaxyの最小値が正となるような定数abを座標とする点(a,b)の範囲を図示せよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

方程式・不等式関数図形と方程式 範囲評価、場合分け、図形的解釈、計算整理

方針

与式 1axbyaxyx を固定すれば y の一次式、y を固定すれば x の一次式である。したがって正方形領域上の最小値は頂点で実現する。4頂点での値をすべて正にする条件を書き、(a,b) 平面上の3本の直線で囲まれる開三角形として整理する。最後に境界を含まない理由を、最小値が「正」であることから確認する。

解答

F(x,y)=1axbyaxy とおく。y を固定すると F(x,y)x の一次式であるから、1x1 における最小値は x=1 または x=1 でとる。さらに x を固定すると F(x,y)y の一次式であるから、正方形 1x1,1y1 上の最小値は4つの頂点のいずれかでとる。

各頂点での値は F(1,1)=12ab, F(1,1)=1+b, F(1,1)=1+2ab, F(1,1)=1+b である。したがって、最小値が正となるための必要十分条件は 12ab>0,1+2ab>0,1+b>0 である。

これを (a,b) の条件として書き直すと b<12a,b<1+2a,b>1 である。上2つは b<12a とまとめられる。さらに 1<b<12a が成り立つには 12a>1、すなわち a<1 が必要である。

よって求める範囲は 1<a<1,1<b<12a である。図形としては、3直線 b=12a,b=1+2a,b=1 で囲まれる三角形の内部であり、頂点は (1,1),(1,1),(0,1) である。ただし、最小値が 0 ではなく正でなければならないので、境界はすべて含まない。

別解

解法2(絶対値で一変数化する)

方針

y について先に最小化し、1axb+ax を得る。これは x の凹関数なので区間の最小値は端点でとる。2つの絶対値不等式を一次不等式へ戻して領域を求める。

解答

与式をF(x,y)=1axy(b+ax)と書く。x を固定したとき、1y1 における最小値はminyF(x,y)=1axb+axである。この右辺は、一次関数から絶対値関数を引いたものなので x の凹関数である。
したがって [1,1] 上の最小値は端点 x=1,1 のいずれかでとる。

ゆえに求める必要十分条件は1aa+b>0,1+aba>0.第1式はa+b<1aであり、これはa<1,1<b<12aと同値である。同様に第2式はa>1,1<b<1+2aと同値である。両方を合わせると1<a<1,1<b<min(12a,1+2a).したがって1<a<1,1<b<12a.これは頂点 (1,1),(1,1),(0,1) をもつ三角形の内部である。
不等号がすべて狭義なので、3辺と3頂点は含まれない。

総評

難度5、計算量4。双一次式の最小値が正方形の頂点で決まる理由を明示することが採点上重要。4頂点法と、絶対値を用いた凹関数法の2方向で必要十分性を確認した。答えは三角形の内部だけで、最小値が正という条件から境界3辺を含まない。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 前期 文科 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。