方針
与式 は を固定すれば の一次式、 を固定すれば の一次式である。したがって正方形領域上の最小値は頂点で実現する。4頂点での値をすべて正にする条件を書き、 平面上の3本の直線で囲まれる開三角形として整理する。最後に境界を含まない理由を、最小値が「正」であることから確認する。
解答
とおく。 を固定すると は の一次式であるから、 における最小値は または でとる。さらに を固定すると は の一次式であるから、正方形 上の最小値は4つの頂点のいずれかでとる。
各頂点での値は である。したがって、最小値が正となるための必要十分条件は である。
これを の条件として書き直すと である。上2つは とまとめられる。さらに が成り立つには 、すなわち が必要である。
よって求める範囲は である。図形としては、3直線 で囲まれる三角形の内部であり、頂点は である。ただし、最小値が ではなく正でなければならないので、境界はすべて含まない。
別解
解法2(絶対値で一変数化する)
方針
について先に最小化し、 を得る。これは の凹関数なので区間の最小値は端点でとる。2つの絶対値不等式を一次不等式へ戻して領域を求める。
解答
与式をと書く。 を固定したとき、 における最小値はである。この右辺は、一次関数から絶対値関数を引いたものなので の凹関数である。
したがって 上の最小値は端点 のいずれかでとる。
ゆえに求める必要十分条件は第1式はであり、これはと同値である。同様に第2式はと同値である。両方を合わせるとしたがってこれは頂点 をもつ三角形の内部である。
不等号がすべて狭義なので、3辺と3頂点は含まれない。
総評
難度5、計算量4。双一次式の最小値が正方形の頂点で決まる理由を明示することが採点上重要。4頂点法と、絶対値を用いた凹関数法の2方向で必要十分性を確認した。答えは三角形の内部だけで、最小値が正という条件から境界3辺を含まない。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。