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東京大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

さいころを振り,出た目の数で17を割った余りをX1とする。
ただし,1で割った余りは0である。
さらにさいころを振り、出た目の数でX1を割った余りをX2とする。
以下同様にして,Xnが決まればさいころを振り,出た目の数でXnを割った余りをXn+1とする。

このようにして,Xnn=1,2,を定める。

(1) X3=0となる確率を求めよ。

(2)nに対し,Xn=5となる確率を求めよ。

(3)nに対し,Xn=1となる確率を求めよ。

(注意)さいころは1から6までの目が等確率で出るものとする。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率数列 状態分類確率漸化式、場合分け、計算整理

方針

まず X1 の分布を直接求める。以後現れる値は 0,1,2,5 だけで、各値から次にどの値へ移るかを表にする。(1)は X2 の分布を出し、そこから0へ移る確率を足す。(2)は5になる経路が非常に限られ、最初に5が出て以後ずっと6で割る場合だけである。(3)は un=P(Xn=1), vn=P(Xn=5) として漸化式を解く。別解として、5から初めて1へ移る時刻を直接数えても同じ式が得られる。

解答

さいころの目が 1,2,3,4,5,6 のとき、17 をその目で割った余りは 0, 1, 2, 1, 2, 5 である。したがってP(X1=0)=16,P(X1=1)=13,P(X1=2)=13,P(X1=5)=16である。以後、取りうる値は 0,1,2,5 に限られる。

各値から次に0,1,2,5へ移る確率を確認しておく。0 はどの目で割っても余り0なので、必ず0へ移る。1 は1で割ったときだけ0、それ以外では1である。2 は1または2で割ったとき0、それ以外では2である。5 は1または5で割ったとき0、2または4で割ったとき1、3で割ったとき2、6で割ったとき5である。

(1)
上の遷移を用いて X2 の分布を求める。P(X2=0)=16+1316+1313+1613=718である。また P(X2=1)=1356+1613=13, P(X2=2)=1323+1616=14,P(X2=5)=1616=136である。

0,1,2,5 から次に0となる確率は、それぞれ 1,16,13,13 である。したがってP(X3=0)=718+1316+1413+13613 =42+6+9+1108=58108=2954 である。

(2) Xn=5 となるには、まず X1=5 でなければならない。さらに、値5から再び5になるのは6で割ったときだけである。したがって X1=5 のあと、n1 回連続でさいころの目が6である必要がある。

よって P(Xn=5)=16(16)n1=16n である。

(3) un=P(Xn=1),vn=P(Xn=5) とおく。(2)より vn=16n である。

値1から次に1になる確率は 5/6 である。また値5から次に1になる確率は、2または4で割る場合なので 2/6=1/3 である。値0または2からは次に1にならない。したがって un+1=56un+13vn=56un+1316n である。初期値は u1=1/3 である。

この漸化式を順に代入して解くとun=(56)n113+j=1n1(56)n1j1316jである。和の一般項を整理すると(56)n1j1316j=5n1j36n1だからun=5n136n1+136n1j=1n15n1j=136n1(5n1+5n114)=5n1126n1である。したがって P(Xn=1)=5n1126n1 である。

別解。Xn=1 となる経路を直接数えることもできる。最初から X1=1 の場合は、その後に1を出さなければ1のままであるから 13(56)n1 である。最初に X1=5 となり、途中で初めて1に移る場合は、しばらく6で割って5を保ち、その後2または4で割って1に移り、以後1を出さない。移る時刻を足し合わせると16m=2n(16)m213(56)nmである。これを上の初項に加えて整理しても、同じく 5n1126n1 を得る。

別解

解法2(遷移行列の必要成分だけを解く)

方針

状態を 0,1,2,5 に限定し、遷移確率を行列として整理する。
5 の確率を先に解き、それを外力とする1次漸化式で 1 の確率を求める。
X3=0 は非吸収状態の確率を引く方法でも検算する。

解答

状態の順を 0,1,2,5 とすると、1回の遷移はT=(100016560013023013131616)で表せる。各行は現在の状態、各列は次の状態に対応する。
初期分布は(16,13,13,16)である。

(1)
行列を2回作用させるとP(X2=0,1,2,5)=(718,13,14,136).したがってP(X3=0)=718+1316+1413+13613=2954.(2)
状態 5 へ入れるのは状態 5 からだけで、その確率は 1/6 である。
vn=P(Xn=5) とすればvn+1=16vn,v1=16.よってP(Xn=5)=vn=16n.(3)
un=P(Xn=1) とする。状態 1 からは確率 5/6
状態 5 からは確率 1/31 へ移るのでun+1=56un+13vn=56un+136n.両辺に 6n を掛け、wn=6n1unとおくとwn+1=5wn+13,w1=13.そこで zn=wn+112 とおけばzn+1=5zn,z1=512.ゆえにwn=5n112,P(Xn=1)=un=5n1126n1.

総評

状態を 0,1,2,5 に絞って遷移を見る確率問題である。目安時間は18〜22分。(1)は X2 の分布を丁寧に作れば機械的に進む。(2)では5が保たれる条件が「6で割る」だけであることを見抜くと一行で済む。(3)は Xn=5 から Xn+1=1 へ入る項を落としやすいので、un,vn を置いて遷移元を明示するのが安全である。別解の直接数え上げは漸化式の検算にもなるが、答案ではどの時刻で初めて1へ移るかを固定して重複を避ける必要がある。

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出典: 東京大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。