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東京大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

2次方程式x24x+1=0の2つの実数解のうち大きいものをα,小さいものをβとする。

n=1,2,3,に対し,sn=αn+βnとおく。

(1) s1s2s3を求めよ。また,n3に対し,snsn1sn2で表せ。

(2) snは正の整数であることを示し,s2003の1の位の数を求めよ。

(3) α2003以下の最大の整数の1の位の数を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

数列数と式整数 解と係数の関係、漸化式の変形数学的帰納法、剰余分類

方針

解と係数の関係から α+β=4, αβ=1 を使う。α, β はともに x2=4x1 を満たすので、n3 では αn=4αn1αn2, βn=4βn1βn2 を足して漸化式を得る。整数性は初期値と漸化式で示し、1の位は10で割った余りの周期を見る。最後は 0<β<1 により α2003=s2003β2003s20031s2003 の間にあることを使う。

解答

(1)
解と係数の関係より α+β=4,αβ=1 である。したがって s1=α+β=4 である。また s2=α2+β2=(α+β)22αβ=162=14 であり、s3=α3+β3=(α+β)33αβ(α+β)=6412=52である。

さらに α, β はともに x24x+1=0 を満たすので x2=4x1 である。これに xn2 を掛けると、n3 について xn=4xn1xn2 となる。x=α,β をそれぞれ代入して足せば sn=4sn1sn2(n3) である。

(2) s1=4, s2=14 は正の整数である。sn1, sn2 が整数なら、漸化式 sn=4sn1sn2 により sn も整数である。よって帰納的にすべての sn は整数である。

また α=2+3>0, β=23>0 だから sn=αn+βn>0 である。したがって sn は正の整数である。

1の位を調べるため、s0=α0+β0=2 も用いる。漸化式から sn4sn1sn2(mod10) である。初めから並べるとs02,s14,s24,s34442(mod10)となり、以後 2,4,4,2,4,4, と周期3で繰り返す。20032(mod3) だから s2003 の1の位は 4 である。

(3) β=23 であり、1<3<2 から 0<β<1 である。したがって 0<β2003<1 である。 s2003=α2003+β2003 だから α2003=s2003β2003 である。上の不等式より s20031<α2003<s2003 である。s2003 は整数なので、α2003 以下の最大の整数は s20031 である。(2)より s2003 の1の位は4だから、求める1の位は 3 である。

別解

解法2(共役と剰余の状態対で処理)

方針

α=2+3, β=23 を明示し、共役な2数の和として整数性を捉える。
1の位は1項だけでなく連続する2項の組を状態とし、同じ組が戻ることで周期を確定する。

解答

(1) α+β=4,αβ=1だからs1=4,s2=422=14,s3=4334=52.また α,βu2=4u1 を満たすので、sn=4sn1sn2(n3).(2)
s1,s2 は整数であり、上の漸化式の係数も整数だから、
帰納法により sn は整数である。また
α>0,β>0 より sn>0 である。

1の位について、連続する2項の組を10で考えると(s0,s1)(2,4),(s1,s2)(4,4),(s2,s3)(4,2),(s3,s4)(2,4)(mod10).最初の組に戻ったので、この後も周期3である。
20032(mod3) より、s2003 の1の位は 4 である。

(3) 0<β=23<1であるから0<β2003<1.したがってs20031<s2003β2003=α2003<s2003.よって α2003 以下の最大の整数は s20031 であり、
その1の位は 41=3 である。

総評

漸化式、整数性、余りの周期、最大整数の判定がきれいにつながる標準的な数列問題である。目安時間は12〜15分。(1)で x2=4x1 を使って漸化式を作れば、(2)の整数性は帰納法で処理できる。1の位は s0=2 から始めると周期3が見やすい。最後の小問では 0<β2003<1 のため、α2003s2003 より少し小さい。ここを逆にして s2003 と答える誤りが起こりやすい。

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出典: 東京大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。