方針
(1) は を厳密に求めるのではなく, で割った余りだけを同時に追う。主張は と の2本の合同式に言い換えられるので, から への帰納法で示す。計算では の倍数になる項をその都度落としてよいが,どの項を落としたか分かる形で整理する。(2)は(1)に を代入し, が3以上の奇数であるため が整数になることを使って, という形にする。
解答
(1)
示すべき2つの式は,次の合同式と同値である。 これを同時に数学的帰納法で示す。 のとき, であるから成り立つ。
ある で成り立つと仮定する。まずここで は の倍数なので落とした。
次にしたがって でも2つの合同式が成り立つ。数学的帰納法により,すべての自然数 で成り立つ。
よって および はともに で割り切れる。
(2)
(1) の に関する合同式で とおくと, は奇数であるから は整数である。したがって,ある整数 を用いて と書ける。
この式から であるため, は で割り切れる。一方, は で割ると 余るので では割り切れない。したがって は では割り切れない。
別解
解法2(行列の二項展開)
方針
2つの数列を縦ベクトルにまとめる。漸化式の係数行列を と書けば、法 では二項展開の第2次まで残せばよい。各成分を読み取って(1)を一度に示し、(2)は を代入する。
解答
(1) とおく。漸化式と初期条件はと書ける。ただし である。したがって法 では 以上を含む項を除けるから、二項展開よりここでだからよって問題文の2つの差はともに で割り切れる。
(2)
(1)の第1式へ を代入すると は奇数なので は整数である。ゆえに と書け、 は で割り切れない。したがって は で割り切れるが では割り切れない。
総評
合同式を使うと短いが,実際には で割った余りを2列同時に管理する帰納法である。想定時間は20分程度,難易度は7,計算量は5程度。(1)では だけを追っても閉じないので, の近似式も同時に立てるのが自然である。計算中に 以上の項を消す箇所を雑に書くと符号や係数を落としやすい。(2)では「 で割れる」と「 では割れない」を, の形から分けて述べると明確になる。