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東京大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

pqを2つの正の整数とする。
整数abcで条件qb0ap,bcaを満たすものを考え,
このようなabc[a,b;c]の形に並べたものを(p,q)パターンと呼ぶ。
(p,q)パターン[a,b;c]に対してw([a,b;c])=pq(a+b)とおく。

(1) (p,q)パターンのうち,w([a,b;c])=qとなるものの個数を求めよ。
また,w([a,b;c])=pとなる(p,q)パターンの個数を求めよ。

以下p=qの場合を考える。

(2) sを整数とする。
(p,p)パターンでw([a,b;c])=p+sとなるものの個数を求めよ。

(3) (p,p)パターンの総数を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

場合の数整数 数え上げ、場合分け、和の計算、誘導利用

方針

w([a,b;c])=pq(a+b)c に依存しないので、まず指定された w の値を a+b の条件へ直す。(1) は端の和になり、a,b は一意に決まる。(2) では p=q として a+b=ps を固定する。a の取り得る範囲は s により変わるため、s<00spps2ps>2p に分ける。各 a に対して cab+1 通りである。(3) は (2) の個数を s で合計する。別解として、総数だけなら b=j と置き、a,j を直接動かして a+j+1 を二重和にしてもよい。

解答

(1) w([a,b;c])=q となる条件は pq(a+b)=q すなわち a+b=p である。条件より 0apb0 なので、a+b=p となるのは a=p,b=0 の場合に限られる。このとき c0cp を満たす整数であるから、p+1 通りである。

また w([a,b;c])=p となる条件は pq(a+b)=p すなわち a+b=q である。条件より a0bq なので、a+b=q となるのは a=0,b=q の場合に限られる。このとき cqc0 を満たす整数であるから、q+1 通りである。

したがって答えは p+1,q+1 である。

(2)
以下 p=q とする。このとき w([a,b;c])=(a+b) である。したがって w([a,b;c])=p+sa+b=ps と同値である。

条件 0appb0 から pa+bp である。したがって ps がこの範囲に入らない、すなわち s<0 または s>2p のとき、個数は0である。

次に 0sp とする。b=psa とおくと、b0 から aps、また ap である。よって psap である。各 a に対して cbca を満たす整数であるから、その個数は ab+1=a(psa)+1=2ap+s+1 である。したがって個数は a=psp(2ap+s+1)=(s+1)(p+1) である。

次に ps2p とする。このとき b=psa とおくと、bp から psap すなわち a2ps である。また a0 なので 0a2ps である。各 a に対する c の個数は同じく 2ap+s+1 であるから、求める個数は a=02ps(2ap+s+1) である。m=2ps とおくと a=0m(2ap+s+1)=(m+1)(p+s+1)+m(m+1) であり、m=2ps を戻すと (2ps+1)(p+1) となる。

以上より、個数は{0(s<0),(s+1)(p+1)(0sp),(2ps+1)(p+1)(ps2p),0(s>2p)である。s=p では中央の2式が同じ値 (p+1)2 を与える。

(3)
(2) の結果を全ての整数 s について足せば、(p,p) パターンの総数が得られる。ただし s=p を二重に数えないように、後半の和は s=p+1 から始める。総数=s=0p(s+1)(p+1)+s=p+12p(2ps+1)(p+1)=(p+1){s=0p(s+1)+s=p+12p(2ps+1)}=(p+1){(p+1)(p+2)2+p(p+1)2}=(p+1)3である。したがって (p+1)3 である。

別解

解法2(正方形内の対角線で数える)

方針

j=b とおくと (a,j) は整数格子の正方形 0a,jp を動く。重みの条件は対角線 aj=ps になり、各格子点に対して ca+j+1 通りある。対角線上の重み付き格子点数として (2) を求め、(3) は正方形全体の二重和で出す。

解答

(1)
w=qa+b=p と同値であり、範囲条件から a=p,b=0 に限る。c=0,1,,p なので p+1 通りである。同様に w=pa+b=q と同値であり、a=0,b=q に限るから c=q,q+1,,0q+1 通りである。

(2)
p=q とし、j=b とおく。すると0ap,0jp,w=jaである。また固定した (a,j) に対し、jca だから ca+j+1通りある。

w=p+saj=psと同値である。s<0 または s>2p なら正方形内に格子点はない。

0sp のとき、対角線上の格子点は(a,j)=(ps+k,k)(k=0,1,,s)である。各点の c の個数は ps+2k+1 だから、総数はk=0s(ps+2k+1)=(s+1)(p+1).ps2p のとき、h=sp とおけば格子点は(a,j)=(k,k+h)(k=0,1,,ph)である。よって総数はk=0ph(2k+h+1)=(ph+1)(p+1)=(2ps+1)(p+1).したがって{0(s<0),(s+1)(p+1)(0sp),(2ps+1)(p+1)(ps2p),0(s>2p)である。

条件 aj=ps は、正方形内を横切る傾き1の対角線になる。

(3)
正方形内のすべての (a,j) を直接動かすと、総数はa=0pj=0p(a+j+1)=(p+1)a=0pa+(p+1)j=0pj+(p+1)2=(p+1)3.

総評

文系第3問を全範囲の s と総数まで拡張した問題である。目安時間は22分。wa+b だけで決まること、固定した a,b に対して cab+1 通りあることが軸になる。(2) は 0spps2pa の動く範囲が変わるため、境界を丁寧に書く必要がある。(3) では s=p の二重計上に注意する。総数については直接二重和で数える別解も短く、検算として有効である。

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出典: 東京大学 2011年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。