方針
(1) は なので が下に凸(上に開く)であることを使う。最大値は端点のどちらか、最小値は頂点が区間内にあれば頂点、なければ端点で生じる。境界は で分かれる。(2) は、ある を足して全値を に収められる条件が、 の最大値と最小値の差が1以下であることに等しいと読む。(3) では固定した に対して許される の長さが になる。ただし なので、(2) のうち の帯だけを使い、 を4区間に分けて断面積を出してから で積分する。
解答
(1) なので は下に凸、すなわち上に開く2次関数である。端点での値は である。また頂点の 座標は であり、頂点での値は である。
最大値と最小値の差を と書く。下に凸の2次関数なので、最大値は区間の端点で生じる。一方、最小値は頂点が に入るかどうかで変わる。
まず のとき、頂点は にあり、 では は増加する。したがって最小値は 、最大値は であり である。
次に のとき、頂点は に入り、さらに である。したがって最大値は 、最小値は頂点での値 である。よって である。
次に のとき、頂点は に入り、 である。したがって最大値は 、最小値は であり である。
最後に のとき、頂点は にあり、 では は減少する。したがって最大値は 、最小値は であり である。
以上よりである。
(2) とおく。ある実数 が存在して となるためには、 の最大値と最小値の差が1以下であることが必要十分である。実際、 の最小値を 、最大値を とすれば、条件は が全ての で成り立つことであり、これは区間 が長さ1の区間に入ること、すなわち と同値である。
したがって は を満たす点全体である。(1) の場合分けから整理する。 では、4つの範囲がつながって となる。実際、上側は の場合の から 、下側は の場合の から であり、中間の2区間はこの間を埋める。
一方、 では、直線で決まる上下の部分は消え、中央の2つの場合から を得る。これは から 、および から 、すなわち が出るためである。これらが交わるには が必要である。 では該当する点はない。
したがって はで表される領域である。図示すると、 では2直線 、 にはさまれ、 では2曲線 、 にはさまれる。境界は含むが、 は含まない。
領域 は次の青色部分である。 上の点は含まず、それ以外の境界は含む。
(3) を固定する。 の最小値を 、最大値を とする。このとき、条件 がすべての で成り立つための の範囲は である。したがって許される の長さは である。 のとき、 の範囲は であり、(1) の場合分けに従っての4区間に分ける。固定した における断面積を とするとである。
それぞれ計算するとである。またであり、 とおくとである。
したがって となる。 の断面は体積に影響しないので、求める体積はである。
別解
解法2(対称変数 で体積を求める)
方針
(1) (2) の値域幅を確認した後、(3) では とおく。変換 により値域幅は の符号に関して対称になる。したがって の半分だけを積分すればよく、4区間の積分を2区間へ減らせる。
解答
(1)
の最大値と最小値の差を とする。頂点は 、端点値は だからである。
(2)
ある により の値域を に収められるための必要十分条件はである。(1) の各場合を解くととなる。
(3)
を固定する。許される の長さはである。ここでとおくと、 の範囲 はになる。また と変数を反転すると、値域幅は と で同じになる。実際、(1) の式からである。
したがって、固定した における 断面積は対称性によりよって体積はである。
総評
2次関数の値域を平面領域・空間領域に翻訳する総合問題である。目安時間は35分以上。(1) の場合分けが以後の土台で、境界 は、頂点の位置と端点値 の大小から出る。(2) では「ある が存在する」を、値域の幅 が1以下であることに言い換えるのが本質である。(3) は固定した に対する の長さが になると見れば、体積が断面積の積分に落ちる。計算量が多いので、4つの 区間を図や表で整理してから積分に入ると、境界の取り違えを防げる。