方針
3本の位置ベクトルを a,b,c とし、重心ベクトルを m とする。P が線分 OM 上にあることを OP=tm と表し、PA⋅PB=0 を t の二次方程式にする。
解答
次のようにおく。a=OA,b=OB,c=OC.重心の位置ベクトルはm=OM=3a+b+c.与えられた内積から∣m∣2=9∣a+b+c∣2=93+6k=31+2kである。またa⋅m=b⋅m=31+2k.P は線分 OM 上にあるのでOP=tm(0≦t≦1)とおける。直角条件は(a−tm)⋅(b−tm)=0であるからk−32(1+2k)t+31+2kt2=0.したがってt2−2t+1+2k3k=0,よってt=1±1+2k1−k.0<k<1 で 0≦t≦1 を満たすのは負号の方だけなので∣OM∣∣OP∣=t=1−1+2k1−k.次に∣AP∣2=∣a−tm∣2=1−32(1+2k)t+31+2kt2.直交条件の式と比べると、後ろ2項の和は −k である。したがって∣AP∣2=1−k.長さは正だから∣AP∣=1−k.以上より∣OM∣∣OP∣=1−1+2k1−k,∣AP∣=1−k.
別解
解法2(直角二等辺三角形を先に使う)
方針
対称性から AP=BP を示す。∠APB=90∘ なので三角形 APB は直角二等辺三角形となり、AB から AP を直ちに求められる。その値を P=tM の距離式に戻して比を決める。
解答
解法1と同じ記号m=3a+b+c,OP=tmを用いる。ここでm⋅a=m⋅b,∣a∣=∣b∣=1だからAP2−BP2=∣a−tm∣2−∣b−tm∣2=0.したがって AP=BP である。さらに ∠APB=90∘ なので、三角形 APB は直角二等辺三角形である。
一方AB2=∣a−b∣2=2(1−k).ピタゴラスの定理よりAB2=AP2+BP2=2AP2だからAP=1−k.位置関係の模式図
あとは∣m∣2=31+2kおよびAP2=1−32(1+2k)t+31+2kt2=1−kを使うとt2−2t+1+2k3k=0.0≦t≦1 からt=1−1+2k1−k.よって∣OM∣∣OP∣=1−1+2k1−k,∣AP∣=1−k.
総評
難度5、目安時間15分。重心ベクトルに対する3頂点の内積が等しいことが対称性の核である。直交条件を二次方程式にする標準解法に加え、AP=BP と直角条件から AP を先に決めると計算を短縮できる。比の二次方程式では、P が線分 OM 上にある条件で解を一つに絞る。
冊子PDFで見る横国のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 2020年度 前期日程 文系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。