横浜国立大学 2025年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理工学部・都市科学部
- 分野
- 数列、指数・対数、論証・証明
- 解法
- 不等式評価、数学的帰納法、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
次の問いに答えよ。
(1) 実数xに対して,ex≧x+1が成り立つことを示せ。
(2) 数列{an}を
a1=1,an=n−1n(1−3n1)3an−1(n=2,3,4,…)
によって定める。
(i) n=2,3,4,…に対して,
1<an−1an<e3n(n−1)1
が成り立つことを示せ。
(ii) n=1,2,3,…に対して,1≦an<e1/3が成り立つことを示せ。
出典:横浜国立大学 2025年度 前期 理系 第4問
方針
(1)は ex−x−1 の最小値で示す。(2)(i)では比を有理式に直し、分子の差を直接展開して 1 と 1+1/(3n(n−1)) の間に挟む。指数関数の不等式で上側を指数へつなぎ、(ii)では比を順に掛けて望遠和を用いる。
解答
(1)
g(x)=ex−x−1 とおく。g′(x)=ex−1 であるから、g(x) は x<0 で減少し、x>0 で増加する。よって最小値は x=0 での g(0)=0 である。したがって
ex≧x+1
が全ての実数 x で成り立つ。等号は x=0 のときに限る。
(2)
(i)
まず
an−1an=n−1n(1−3n1)3=27n2(n−1)(3n−1)3
である。分母は正であり、
(3n−1)3−27n2(n−1)=9n−1>0
だから
1<an−1an
である。
次に、
an−1an<1+3n(n−1)1
を示す。正の数 27n2(n−1) を掛けると、この不等式は
(3n−1)3<27n2(n−1)+9n
となる。左辺は 27n3−27n2+9n−1 であり、右辺よりちょうど 1 小さいので成り立つ。
(1)を正の数 x=1/(3n(n−1)) に用いると 1+x<ex であるから、
1<an−1an<1+3n(n−1)1<e3n(n−1)1
を得る。
(ii)
(i)の左側の不等式から数列 {an} は狭義単調増加である。a1=1 より
1≦an
である。
上側は n=1 では明らかである。n≧2 とし、(i)の右側の不等式を k=2,3,…,n について順に掛けると、
an<e3⋅2⋅11e3⋅3⋅21⋯e3n(n−1)1.
ここで
2⋅11+3⋅21+⋯+n(n−1)1=1−n1
だから、
an<e31(1−1/n)<e1/3.
以上より
1≦an<e1/3
である。