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広島大学 2018年度 前期理系数学 第2問

複素数平面上の4点A(α),B(β),C(γ),D(δ)を頂点とする凸四角形 ABCD を考える。頂点は反時計回りに A,B,C,D の順に並ぶものとする。

四角形の外側に、4辺 AB,BC,CD,DA をそれぞれ斜辺とする直角二等辺三角形APB,BQC,CRD,DSAを作る。次の問いに答えよ。

(1)P を表す複素数を求めよ。

(2) 四角形 PQRS が平行四辺形であるための必要十分条件を、四角形 ABCD の性質として答えよ。

(3) 四角形 PQRS が平行四辺形であるならば、PQRS は正方形であることを示せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22

複素数平面図形と方程式 回転・拡大図形的解釈必要十分条件、実部虚部比較

方針

各辺の外側に作る直角二等辺三角形の頂点を,辺の中点から辺ベクトルを 90 回転した点として表す。平行四辺形条件は対角線の中点一致 p+r=q+s で判定し,最後は隣り合う辺ベクトルが 90 回転の関係になることを示す。

解答

(1)
四角形 ABCD の頂点は反時計回りなので,辺 AB の外側は,A から B へ向かう向きの右側である。したがって,点 P を表す複素数を p とするとp=α+β2i(βα)2=(1+i)α+(1i)β2である。

(2)
同様にq=(1+i)β+(1i)γ2,r=(1+i)γ+(1i)δ2,s=(1+i)δ+(1i)α2である。四角形 PQRS が平行四辺形であることは p+r=q+s と同値である。計算するとp+rqs=i(αβ+γδ)であるから,条件はα+γ=β+δである。これは四角形 ABCD の対角線の中点が一致することを表す。よって必要十分条件は,四角形 ABCD が平行四辺形であることである。

(3)
四角形 ABCD が平行四辺形であるとする。u=βαv=γβ とおくと,δγ=u である。するとqp=(1+i)u+(1i)v2,rq=(1+i)v(1i)u2=i(qp)である。したがって隣り合う辺 PQQR は長さが等しく,互いに垂直である。(2)より PQRS は平行四辺形でもあるから,PQRS は正方形である。

別解

解法2

方針

各斜辺ベクトルを時計回りに 90 回転して半分にしたベクトルを、その辺の中点へ加える。まず図で外側の符号を固定し、対角線の中点条件と隣辺の回転関係をベクトルとして整理する。

解答

(1)

複素数に i を掛けることは、対応するベクトルを時計回りに 90 回転することを表す。辺 AB の中点から外側の頂点 P へ向かうベクトルはi2(βα)だからp=α+β2i2(βα)=(1+i)α+(1i)β2.(2)

同じ回転を各辺に施すとq=(1+i)β+(1i)γ2,r=(1+i)γ+(1i)δ2,s=(1+i)δ+(1i)α2.四角形 PQRS が平行四辺形であるための必要十分条件は、対角線の中点が一致すること、すなわちp+r=q+sである。左辺と右辺の差を計算するとp+rqs=i(αβ+γδ).よって条件はα+γ=β+δ.これは ACBD の中点が一致する条件なので、ABCD が平行四辺形であることと同値である。

(3)

ABCD が平行四辺形であるとしu=βα,v=γβとおく。上の頂点表示からPQ=(1+i)u+(1i)v2,QR=(1+i)v(1i)u2.ここでiPQ=(i1)u+(1+i)v2=QR.したがって QRPQ を反時計回りに 90 回転したベクトルである。ゆえにPQ=QR,PQQR.(2)より PQRS は平行四辺形でもあるので、4辺が等しく1つの角が直角である。したがって PQRS は正方形である。

総評

難度7,計算量6。想定時間は22分程度。複素数による90度回転を外側の向きまで含めて正しく設定することが核心である。平行四辺形条件を対角線の中点一致で処理し,最後に隣辺の回転関係を示せば簡潔にまとまる。 別解では外向きの回転を図で固定したうえで、隣辺ベクトルがちょうど (i) 倍になることから正方形を直接確認した。

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出典: 広島大学 2018年度 前期 理系数学 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。