広島大学 2018年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、指数・対数、三角関数
- 解法
- 不等式評価、定積分評価、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12分
問題
次の問いに答えよ。
(1) すべての実数 t に対し
1+t≦et
が成り立つことを示せ。
(2) 定積分
∫04π1+sinx1dx
の値を求めよ。
(3) 次の不等式を示せ。
4π−1+22≦∫04πe−sinxdx≦2−2.
出典:広島大学 2018年度 前期 理系 第3問
方針
解法1
(1)は et−t−1 の増減で示す。(2)は分母を有理化して cos2x1−sinx とする。(3)は (1) を t=−sinx と t=sinx に使い,下側は 1−sinx,上側は 1/(1+sinx) で評価する。
解法2
(1)では指数関数のグラフが t=0 における接線の上側にあることを、2階微分で確認する。(2)では被積分関数を、tanx−secx の導関数として一度に見抜く。
解答
解法1
(1)
ϕ(t)=et−t−1 とおくと,ϕ′(t)=et−1 である。したがって t<0 で ϕ′(t)<0,t>0 で ϕ′(t)>0 であり,ϕ(t) は t=0 で最小値 0 をとる。よってすべての実数 t に対して
1+t≦et
である。
(2)
1+sinx1=cos2x1−sinx
であるから
∫04π1+sinx1dx=∫04π(cos2x1−cos2xsinx)dx=[tanx−cosx1]04π=2−2
である。
(3)
(1)で t=−sinx とすると
1−sinx≦e−sinx
である。よって
∫04πe−sinxdx≧∫04π(1−sinx)dx=4π−1+22
である。
また,(1)で t=sinx とすると esinx≧1+sinx であるから
e−sinx≦1+sinx1
である。したがって (2) より
である。以上より求める不等式が示された。
解法2
(1)
F(t)=et−(1+t)
とおくと
F′′(t)=et>0.
したがって F′(t) は単調増加し
F′(0)=0
だから、F は t<0 で減少し、t>0 で増加する。ゆえに
F(t)≧F(0)=0,
すなわち
1+t≦et.
これは y=et が t=0 における接線 y=1+t の上側にあることを表す。
(2)
dxd(tanx−cosx1)=cos2x1−cos2xsinx=cos2x1−sinx=1+sinx1.
したがって
∫04π1+sinx1dx=[tanx−cosx1]04π=(1−2)−(0−1)=2−2.
(3)
(1)に t=−sinx を代入すると
1−sinx≦e−sinx.
よって
∫04πe−sinxdx≧∫04π(1−sinx)dx=4π−1+22.
一方、(1)に t=sinx を代入すると
1+sinx≦esinx.
両辺は正なので逆数をとって
e−sinx≦1+sinx1.
したがって (2) より
∫04πe−sinxdx≦∫04π1+sinx1dx=2−2.
以上で両側の不等式が示された。