広島大学 2018年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理系
- 分野
- 確率、複素数平面、数列
- 解法
- 状態分類、確率漸化式、漸化式の変形
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12分
問題
0,1,2,3 の数字が1つずつ書かれた4枚のカードがある。この中から1枚を取り出し、数字を見て元に戻す。この操作を N 回繰り返し、出た数字を順に
Z1,Z2,…,ZN
とする。ただし N≧3 とする。
さらに
α=cos32π+isin32π
を用いて、数列 {Xn} を
X1=αZ1,Xn+1=XnαZn+1(n=1,2,…,N−1)
により定める。各 n に対し
Pn=P(Xn=α),Qn=P(Xn=α2)
とする。次の問いに答えよ。
(1) P1 を求めよ。
(2) αZn+1=1 となる確率を求めよ。
(3) Xn=1 となる確率を Pn,Qn を用いて表せ。
(4) Pn+1 を Pn を用いて表せ。
(5) Pn を求めよ。
出典:広島大学 2018年度 前期 理系 第4問
方針
解法1
α3=1 を用いて,状態を 1,α,α2 の3つに分ける。1回の操作で掛けられる値の確率は 1 が 1/2,α と α2 がそれぞれ 1/4。この状態遷移から Pn+1 の一次漸化式を作る。
解法2
状態 1,α,α2 の対称性に注目する。初めから P1=Q1 であり、遷移確率も α と α2 を入れ替えて不変なので Pn=Qn が保たれる。最後は一次漸化式を有限等比級数として解く。
解答
解法1
(1)
Z1=1 のときだけ X1=α であるから
P1=41
である。
(2)
α3=1 である。Zn+1=0,3 のとき αZn+1=1 となるので,その確率は
42=21
である。
(3)
Xn は 1,α,α2 のいずれかである。したがって
P(Xn=1)=1−Pn−Qn
である。
(4)
Xn+1=α となるのは,次の三つの場合である。
Xn=α かつ αZn+1=1,
Xn=1 かつ αZn+1=α,
Xn=α2 かつ αZn+1=α2
である。よって
Pn+1=21Pn+41(1−Pn−Qn)+41Qn=41Pn+41
である。
(5)
(4)より
Pn+1−31=41(Pn−31)
である。P1=41 だから
Pn=31−121(41)n−1=31−3⋅4n1=3⋅4n4n−1
である。
解法2
(1)
X1=αZ1=α
となるのは Z1=1 のときだけだから
P1=41.
(2)
α3=1
であり、Zn+1=0,3 の2通りで
αZn+1=1.
したがって確率は
42=21.
(3)
Xn の取り得る値は 1,α,α2 の3つだけなので
P(Xn=1)=1−Pn−Qn.
(4)
1回で掛ける値の分布は
掛ける値確率121α41α241
である。初項では
P1=Q1=41.
また遷移表は α と α2 を入れ替えても同じなので、帰納的に
Pn=Qn
がすべての n で成り立つ。
したがって Xn=1 の確率は 1−2Pn であり
Pn+1=21Pn+41(1−2Pn)+41Pn=41Pn+41.
(5)
漸化式を繰り返し代入すると
Pn=(41)n−1P1+41k=0∑n−2(41)k.
P1=1/4 と有限等比級数の和を使えば
Pn=4n1+411−1/41−(1/4)n−1=31−3⋅4n1=3⋅4n4n−1.